日常生活と比べてビジネスの場における動画の活用は遅れている。テキストによるコミュニケーションが中心のビジネスの場で動画を活用することで、どのような利点が得られるのか。実際に動画共有が日常化している企業の活用例も含めて見てみよう。
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スマートフォンの普及やカメラ機能の向上、編集ソフトの進化などによって「YouTube」「TikTok」などで動画を見るのはもちろん、ユーザー自身が動画を撮影、編集して公開することが簡単になった。今や誰もが思い立ったらすぐに手元のスマートフォンで動画を撮影し、それを家族や仲間内でシェアするだけでなく世界に向けて発信できる。
しかし、日常生活と比べてビジネスの場における動画の活用は遅れている。動画をビジネスで活用することでどのような利便性を得られるのか。動画にはメールなど他の情報伝達手段と比べてどのようなメリットがあるのか。
動画管理プラットフォーム「Panopto」(パノプト)を提供するPanoptoのクリストフ・ランディ氏(バイスプレジデントセールスAPAC)と、日本のエンタープライズ市場におけるPanoptoのパートナーであるアシストの佐子雅之氏(DX推進技術本部デジタル推進技術統括部ナレッジ・プラットフォーム技術部部長)と板木栄樹氏(ビジネスソリューション本部新事業共創推進室参与)に動画活用のメリットとアジア市場におけるPanoptoの戦略を聞いた。
Panoptoは2007年に米国で創立された。現在は欧州、アジアでも事業を展開する。Panoptoはこれまでカーネギーメロン大学をはじめとする大学を中心とする教育機関に導入されてきたが、同社は近年、ビジネスの場での利用拡大を図る。
Panoptoは組織が利用する動画コンテンツを包括的に管理するプラットフォームだ。組織内のセミナーやレクチャー資料など、部門や事業所ごとに作成されることの多いコンテンツを一括して管理し、効果的に活用する仕組みを持つ。具体的な機能としては、準備は一切不要で、PCやスマートフォンからすぐに録画を開始できる「録画機能」、Webブラウザで誰でも簡単に動画編集できる「編集機能」、動画の音や文字から検索し、見たい動画をすぐに見つけることができる「検索機能」、公開範囲の設定や権限設定などで動画を安心・安全に管理できる「管理機能」、誰が、いつ、何を、どこまで見たのかを確認できる「視聴統計機能」などがある。また、これらの機能は年に2回あるメジャーバージョンアップで常に強化され、新機能も実装されていくという。
なぜ、Panoptoはビジネスの場で動画活用を進めるのか。ランディ氏は「コロナ禍をきっかけに働き方が変わったこと」を理由の一つとして挙げた。
「働き方が多様になり、従業員はオフィスだけでなく自宅などさまざまな場所で働くようになった。皆がオフィスに集まって対面で話す機会が減り、どのようにコラボレート(協力)していくかが大きな課題になっている。非対面でコラボレートするツールを持つことが大事だ」(ランディ氏)
ランディ氏はビジネスで動画を活用する主な場面として次の3つを挙げた。
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