企業におけるクラウド活用はビジネスの拡大と加速のために欠かせない存在になりつつある。一方で「クラウドにデータを預けて平気なのか」や「高額な請求になるのではないか」といった声もあるようだ。AWSの利点を学んで論破しよう。
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「クラウドを導入したいという声が増える一方で、経営層や経理部、情報システム担当者から反論を受け、導入に至らないというケースも多い」――。そう話すのはソニービズネットワークスの折笠丈侍氏(開発本部 ソリューション営業本部)だ。Amazon Web Services(AWS)導入に対する経営層や経理部門、情報システム部門の懸念をどのように解消すべきなのか、折笠氏に聞いた。
本稿は、ソニービズネットワークス主催AWSセミナー「はじめよう AWS!シリーズ第10回」を基に作成した。
折笠氏は始めにAWSの6つの特徴を挙げた。
1つ目が「従量課金と継続的な値下げ」だ。完全従量課金システムを採用し、ユーザーは使った分だけを支払うため無駄が生まれない。さらに不要なリソースが見つかれば即座に停止や削除も可能だ。さらに過去10年間で85回の値下げを実施している点も折笠氏は強調する。
2つ目が「柔軟性とサイジングからの解放」だ。リソースを数分で増やすことが可能で、厳密なサイジングが不要になるという。
3つ目が「俊敏性で商機を逃さない」ことだ。数分でリソースを調達し、ピーク時のサーバやリソースを容易にスケールできるため、突発的なトラフィックの変化やビジネス機会に対応できる。
4つ目が「運用負荷の軽減」だ。マネージドサービスやサーバレスサービスを活用することで、管理工数をAWSにオフロードでき、ユーザーはデータの管理に集中できる。
5つ目が「高いセキュリティ」だ。世界各国の主要な第三者認証を取得しており、ユーザーの安心につながっている。
6つ目が「冗長性とグローバル展開」だ。世界各国にリージョンと呼ばれるデータセンターを分散配置し、AWSのプライベートネットワークで接続することで、グローバル展開が容易に実行できるようになった。
こうしたメリットがあるAWSだが、折笠氏によると経営層は「ハードウェアとライセンスを一括購入して5年償却する方が安い」「導入しても君自身の業務が楽になるだけだろう」「クラウドにデータを預けて平気なのか」といった懸念を抱えている。
ハードウェアとライセンスを一括購入して5年償却する方がコストは安くなると思われるかもしれないが、AWSの利用料には電源や空調、ネットワーク、セキュリティ、運用管理費、ハードウェア、ソフトウェアなどが含まれており、ハードウェアやソフト購入費用と単純比較すると高額に見えがちだ。
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