データドリブンを実現するにはいかに「きれいなデータ」を用意するかがカギを握る。SAPのテクノロジーを基盤とした時、どの技術をどう使うのがベストか。SAP Business Technology Platform(BTP)やクラウドデータウェアハウスはどう生きるのかを聞いた。
2022年7月13〜15日にSAPの年次イベント「SAP Sapphire Tokyo」が開催された。このうち、ビジネステクノロジープラットフォームに関するセッションの1つにおいて「データの価値を最大化する、SAPデータ&アナリティクスソリューションの全貌」と題し、SAPジャパン SAP HANA CoE シニアディレクターの椛田后一氏が講演した。本稿はその内容をダイジェストで紹介する。
多くの企業がデータドリブン経営を目指す一方で「相応の時間をかけても目的がかなわない企業が多い」と椛田氏はデータ活用における課題を整理する。
データドリブン経営の実現が難しい企業の特徴として「個々の既存システムが個別に最適化されており、業務プロセスがシステム間で分断されているケースが多い」のだという。分断されたシステム、業務プロセスの中でデータを活用するには、各システムからデータを集めて分析し、レポートする必要がある。集めたデータから分断した業務プロセスを横断的に可視化することも考えられるだろう。
だがこのアプローチは「多数のシステムからデータを集めるところに幾つかの課題がある」と椛田氏は指摘する。
複数のシステムに散在するデータを集めること自体に手間が掛かる。データの粒度やフォーマットが異なるため、データの整合性をとるための調整が必要で、正確なデータを把握するまでに時間がかかる点も課題だ。また手間をかけてデータの整合性をとっても、元のシステムや業務プロセスが分断されているために分析結果をすぐに各業務に組み込めない。
データドリブン経営を目指そうにも、サイロ化したシステムが残っていてはこれらの課題を解消できないのだ。
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