東芝とアクセンチュアが共同コンサルティング開始 “畑違い”の協業の強みは?

東芝とアクセンチュアが共同で「GX(グリーントランスフォーメーション)コンサルティングサービス」を開始した。畑違いの両社による共同コンサルティングの強みとは。

» 2022年09月30日 07時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

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 アクセンチュアと東芝は2022年9月27日、企業の脱炭素を軸としたグリーントランスフォーメーション(GX)を支援する「GXコンサルティングサービス」を開始すると発表した。両社連携のもと、企業のカーボンニュートラルの実現に向けた目標設定や戦略策定、目標達成に向けた施策検討などを支援する包括的なコンサルティングを提供するとしている。

戦略策定からカーボンニュートラル実現まで一貫して支援

 両社は、従来取引のある企業向けにGXコンサルティングを先行して実施してきたが、2022年10月から正式なサービスとして開始する。東芝の技術やソリューションの知見、実績と、グローバルでGXコンサルティングサービスに実績のあるアクセンチュアの戦略立案や業務変革に関する提案能力を融合させて共同でコンサルティングする。今後は、顧客企業が排出するGHG(温室効果ガス)の削減に向けて、両社のGHG削減ソリューションの連携からサービスの共同開発まで連携範囲を拡大させる。

 畑違いの両社による共同コンサルティングの“強み”は何か。

 従来、アクセンチュアは、サステナビリティを起点とした企業変革を支援するサービスを展開してきた。脱炭素社会の実現に向けた戦略策定やサーキュラーエコノミー(循環経済)型ビジネスモデルの構築、グリーン調達を含むサプライチェーン改革の構想、実行、GHG排出量の可視化ソリューションを提供している。パートナー企業とのエコシステムを通じて、クラウドをはじめとした脱炭素に資するデジタル、ITソリューションの導入も支援してきた。

 東芝は、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー(再エネ)システムやデジタル技術を用いたエネルギー管理システム、再エネ由来の水素ソリューション、CO2(二酸化炭素)分離回収設備、事業活動におけるカーボンフットプリントの可視化など、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するシステムやソリューションを提供してきた。

 GXコンサルティングサービスは、両社が共同でコンサルティングすることで、戦略的計画の策定だけでなく、その後のカーボンニュートラル関連機器の実装をセットで提案できる。戦略的計画策定から計画の実行、目標達成まで一貫したGXコンサルティングは企業のカーボンニュートラル実現まで並走するサービスを提供するとしている。

 今後、アクセンチュアは東芝とともに顧客企業が掲げるGHGの排出削減目標の達成に向けて、実際の排出量削減につなげる支援サービスを強化する。また、市場動向や顧客ニーズを踏まえてGXコンサルティングサービスのビジネスモデルを高度化させる。

 東芝は、アクセンチュアとともに特定ベンダーの設備や機器に依存しないサービスの構築、展開を共同で推進する。

 両社協業によるサービス開始について、アクセンチュアの五十嵐 慎二副社長は「脱炭素社会の実現は、もはや環境意識の高い層や一部のグローバル企業だけの課題でなく、日本企業も含めた、ほぼ全ての企業が取り組むべき重要な経営アジェンダだ。アクセンチュアは、グローバル規模で培ってきたDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する豊富な知見やサステナビリティ領域のサービスを、東芝の先進技術と組み合わせることで、あらゆる業界の企業が地球規模の課題解決に貢献し、持続的なビジネスを実現できるよう支援していく」と述べる。

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