CAPTCHAに代わる認証テスト、Cloudflareが「Turnstile」を発表

Cloudflareは、CAPTCHAに代わる認証テスト「Turnstile」を発表した。Cloudflareのユーザーであるかどうかにかかわらず利用できる。

» 2022年10月03日 08時00分 公開
[山口哲弘ITmedia]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

 Cloudflareは2022年9月28日、CAPTCHA(Completely Automated Public Turing test to tell Computers and Humans Apart:完全に自動化された、コンピューターと人間を区別する公開チューリングテスト)に代わる認証テスト「Turnstile」を発表した。Cloudflareのユーザーであるかどうかにかかわらず利用できる。

Cloudflareの発表(出典:CloudflareのWebページ)

CAPTCHAが抱える課題

 現在Webサイトでコンピューターと人間を区別するために利用されている認証テストであるCAPTCHAでは、ゆがんだ文字や数字、横断歩道や信号を選ばせるなど、機械には解答が難しく、人間には容易な問題を出題する。

 Cloudflareは、CAPTCHAについて「利便性に欠け、ユーザーデータを採取してプライバシーを犠牲にする仕組み」だと評価する。さらにCAPTCHAは、ユーザー全員が身体的にも認知的にも問題を解く能力を有していることを前提としており「アクセシビリティの観点からさまざまな批判を受けている」としている。

 TurnstileはCAPTCHAに代わる認証テストだ。人間が操作していることを示す「シグナル」を基準に判断する。認証テストの難易度を細かく調整でき、人間とは異なる行動をしていると考えられる訪問者には、より難しい認証テストを課すことができる。macOSやiOSを利用するユーザーのプライベートアクセストークンを認識するため、機器の販売元と連携して機器を認証することも可能だ。

 Cloudflareは、「Turnstileは従来のCAPTCHAと同程度の安定した解答率を持つ」としている。同社は、Turnstileの利用によって自社でのCAPTCHAの使用量を91%減少したという。また、Turnstileは非対話型の認証テストであることから、これまでCAPTCHAを使用していたときにはユーザーの認証テストに平均32秒かかっていたのに対して、Turnstileでは約1秒に短縮できたとしている。

 Cloudflareの共同創設者で最高経営責任者(CEO)を務めるMatthew Prince氏は、「全てのインターネット技術の中で最も嫌われていると言っても過言ではないものを当社が排除し、より簡単で、安全で、使用する全ての人のプライバシーが保護できるものに変える。全てのインターネットユーザーとインターネットを安全にする『1.1.1.1』と同じように、あらゆる地域やあらゆる規模の開発者とTurnstileを共有することで、エンドユーザーの利便性を改善でき、プライバシーを守れる」と述べている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ