「Do more with less」を実現している事例としては、北海道電力の火力発電所の設備巡視点検作業において、HoloLensなどを活用して業務を効率化しているケースや、ファミリーマートがTelexistenceのロボットとMicrosoftのAIを活用して飲料の補充作業を効率化したケースがある。これらに加えて、Microsoftが自社が持つ2000近いアプリケーションをMicrosoft Cloudに移行したことで、オンプレミスに比べて最大93%のエネルギー効率の向上を実現したことなども紹介した。
Microsoftは、2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量を吸収量が上回る「カーボンネガティブ」を実現したり、水の消費量を供給量が上回る「ウオーターポジティブ」を実現したりといった目標を掲げている。また、「Microsoft Sustainability Manager」をユーザーに提供し、バリューチェーンを通じた温室効果ガスの排出量を可視化して分析できる環境も実現している。これは温室効果ガス(GHG)プロトコルで示されているスコープ1、2、3全てをカバーできるものになっている。
公共分野の取り組みでは、Microsoft Azureが、政府の共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」に選定されたことを報告。事前に告知されていなかったデジタル庁 Head of Government Cloudの梅谷晃宏氏がサプライズゲストとして登壇した。同氏もアマゾンウェブサービスジャパン出身であり、図らずも日本マイクロソフトのイベントにおいて、ステージ上に2人のAWS OBが並ぶ光景となった。
岡嵜氏と「「グータッチ」をした後、2人のトーク形式で進行。梅谷氏はガバメントクラウドのこれからについて次のように述べた。
「デジタル庁は、デジタル社会実現のための重点計画の実現に取り組んでいる。ガバメントクラウドはそのうちのひとつであり、国民に近い部分で提供するサービスを支えるインフラを整備することになる。価値のあるサービスを迅速に、柔軟に、セキュアに、コスト効率が高く整備していくことになる。ここに、日本マイクロソフトが1社として選定された。どこで活用されるかはこれから発表されることになる」(梅谷氏)
日本マイクロソフトに対する期待については、「いろいろある。キーワードであるDo more with lessは、デジタル庁にとってもぴったりの表現だ。マイクロソフトのプラクティスやナレッジを活用し、クラウドの良さを国民に周知する役割を期待したい。マイクロソフトの特徴は、製品ポートフォリオの幅が広い点である。IaaS、PaaS、SaaSだけでなく、クラウドの領域から飛び出たところまで品ぞろえがある。デジタル社会の実現のために、どんなところにマイクロソフトが貢献できるのかを考えてもらいたい」と語った。
岡嵜氏は最後に、マイクロソフトのミッションである「地球上の全ての個人と全ての組織が、より多くのことを達成できるようにする」というメッセージを読み上げ、「Do more with lessもミッションに共通するメッセージだ。テクノロジーの進化はとどまることがない。テクノロジーが進化することで、多くの人たちにイノベーションの可能性が生まれる。マイクロソフトはそれを全力で支援していく」と講演を締めくくった。
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