デジタル庁、日本における「Peppol」のサービスプロバイダーとしてOpenTextを了承【訂正あり】

OpenTextは、デジタル庁による「日本におけるPeppolサービスプロバイダー」に了承された。2023年10月のインボイス制度開始に向け、「OpenText Business Network」を活用し、電子インボイス普及を支援する。

» 2022年10月27日 07時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

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訂正のお知らせ

※初出時のタイトルおよび本文に、Peppolの国内サービスプロバイダーとしてデジタル庁がOpenTextを「認定」した、との記載がありましたが、正しくは「了承」したでした。おわびしてタイトルおよび本文を訂正します(2022年10月31日11時29分更新)。

 Open Text(以下、OpenText)は2022年10月25日、日本における電子インボイス(デジタルインボイス)の国際標準規格「Peppol(Pan European Public Procurement Online)」(ペポル)のサービスプロバイダーとしてデジタル庁から了承されたと発表した。

OpenText Business NetworkでPeppolでの取引が可能に

 Peppolは、受発注や請求などの電子文書をネットワーク上でやりとりするための国際規格で、非営利組織「OpenPeppol」によって管理されている。

 日本国内では、デジタル庁や電子インボイス推進協議会(EIPA)が中心となり、Peppolをベースとした日本における電子インボイスの普及に取り組み、デジタル化を推進している。

 OpenTextは、EUでPeppolが開始されて以来、Peppolサービスプロバイダーとして政府や企業での電子インボイス導入を技術、サービス面で支援してきた。今回、デジタル庁から了承されたことで、日本でのサービス提供が可能になる。

 OpenTextは、これによって同社のB2B/EDI(電子データ交換)ソリューション「OpenText Business Network」に接続している企業がPeppolアクセスポイントを経由して、グローバル規格に準拠した形で請求書などの電子文書をネットワーク上でやりとりできるようになると説明する。2023年10月に導入予定の「インボイス制度」(適格請求書等保存方式)への対応効果も得られるとしている。

 OpenText Business Networkは、社内外で交わされるB2B/EDIデータを交換、統合し、取引と各業務データのライフサイクル全体を管理するためのクラウドプラットフォームだ。同製品の世界最大級のネットワークを活用し、企業や公的機関がPeppol標準規格で電子インボイスを交換し、ビジネスプロセスの自動化を可能にする。

 Peppolは欧州各国を中心に米国、オーストラリアやニュージーランド、シンガポールなど30カ国以上で利用が進んでいる。OpenTextは「(Peppolを導入すれば)日本国内だけでなく、世界の企業と電子文書のやりとりを正確かつタイムリーに行えるようになる」としている。

 日本で開始されるインボイス制度で活用が求められる適格請求書(インボイス)は、電子データで運用することも想定されており、Peppolのネットワークシステムを介して対応することが前提となっている。

 電子化したインボイスを活用することでデータの管理や照合、取引先とのやりとりなどの事務作業における大幅な効率化とコスト削減を実現する。インボイス制度では全てのインボイスを7年間保管する義務がある。OpenTextは「テレワークによる働き方改革も推進できる。紙ではなく電子データで保存することで、管理負担の大幅な軽減が期待できる」としている。

 OpenTextは今後、世界の企業や公的機関におけるPeppol標準規格での電子インボイス交換、活用に関する実績や経験を生かしつつ、日本での電子インボイス普及支援に取り組むとしている。

 なお、デジタル庁によって了承されたPeppolサービスプロバイダーは下記の通りだ。

デジタル庁「日本における認定Peppol Service Provider名簿」(2022年10月19日付け)(出典:デジタル庁「わが国におけるデジタルインボイスの標準仕様[JP PINT]」)

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