「Amazon EC2 Inf2インスタンス」は新たな「AWS Inferentia2チップ」を搭載した推論処理当たりのコストが最も安価なInf2インスタンスだ。学習よりも複雑でコストが高くなりやすい推論処理において、コスト効率と電力効率の向上、低レイテンシを実現する。
「Amazon EC2 HPC6idインスタンス」は、密結合なHPCワークロード専用に設計されたインスタンスだ。第3世代の「Intel Xeon Scalable Processor」(Ice Lake)を搭載し最大3.5GHzで動作する。1024GiBのメモリと15.2TBのSSDを搭載しており、「Amazon EC2 R6iインスタンス」と比べて4倍となる200GbpsのEFAネットワーク帯域を備える。
「AWS SimSpace Weaver」は、大規模な空間的シミュレーションの構築や運用を支援するフルマネージドサービスだ。セリプスキー氏は「AWS SimSpace Weaverが複数のEC2インスタンスでの分散処理や各ノードの同期を管理し、大規模な処理に対応する。ユーザーは設計や事象観測に注力できる」とした。
「Amazon Connect」は、クラウド型コンタクトセンターサービスでコンタクトセンターシステムや自動受付システムを構築して運用するサービスだ。今回はそれに3つのアップデートが発表された。
1つ目が「『ML(機械学習)ドリブン』『容量計画』『スケジューリング』」だ。コンタクトセンターの人員を最適化するために、必要な人数が必要なタイミングでスケジュールされているかを予測、計画、検証する。
2つ目が「コンタクトレンズとパフォーマンスマネジメント」だ。これはエージェントのパフォーマンスをモニタリングする機能で、「必要なトークスクリプトを守っているか」「機密データ収集ルールを守っているか」などの軸で評価する。機械学習で会話分析機能によるスコアリングも可能だ。
3つ目が「ステップごとにガイドがあるエージェントのためのワークスペース」だ。Amazon Connectのエージェントワークスペースにおいて電話やチャット、タスクを受け取ると顧客情報を表示やナレッジベースの検索、推奨される対応のレコメンデーションなどをリアルタイムで実行する。
「AWS Supply Chain」は、サプライチェーンのリスクを低減して顧客体験を向上するためのクラウドベースのアプリケーションだ。セリプスキー氏は同サービスについて、「サプライチェーンの可視性を高めて、より早くデータに基づいた判断を可能にする。ユーザーのリスク軽減やコスト削減、体験の向上を支援する」と述べた。
「AWS Clean Rooms」は、データ全体を直接共有したり開示することなく、安全な分析を可能にするアナリティクスサービスだ。データクリーンルームを作成することで、AWSのクラウド内で、社外の人でも同じデータを元にした分析やコラボレーションが可能になる。
「双方のデータを組み合わせることで、ユーザーはパートナーと新たな知見を生み出すことが可能になる」(セリプスキー氏)
「Amazon Omics」は、ゲノミクスと生物学のデータを大規模に保存・クエリ・分析するために設計された専用のサービスだ。ペタバイト規模のデータを容易にインポートし、分析に適した形式に正規化する。また、ワークフローとインテグレーションツールを提供し、基盤のインフラを自動的にプロビジョニングすることで、研究者や医師が研究活動や治療に注力できるようになる。
セリプスキー氏は最後に、「未知な挑戦は時に危険かもしれないが、適切なツールを選択して進めば実現できる」と話し、講演を終えた。
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