その最新技術への投資、無駄になっていませんか? 見直すべき5つのポイントCIO Dive

デジタル変革を目指す多くの企業にとって、どの最新技術に投資するかは非常に悩ましい問題だ。投資を無駄にしないために、考慮すべき5つのポイントを解説しよう。

» 2023年01月31日 07時00分 公開
[Roberto TorresCIO Dive]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

CIO Dive

 コンサルティング企業BCG Xの調査によると、2023年にデジタル変革を目指す企業にとって最大の課題は、どの破壊的技術に投資するかということだ(注1)。

 全世界2600人の経営者を対象にしたこの調査によると、約6割の企業が、2023年にデジタル変革への投資を増額する計画を立てている。約8割の経営者が、モダナイゼーションを進めるに当たり、「新しいデジタルソリューションによる迅速な規模の拡大」や「人材の確保」と並び、「最適な破壊的技術への投資」が最重要課題と答えた。

今投資すべき“3つの技術”と、投資を無駄にしない“5つのポイント”

 調査によるとビジネスを変革する力が最も強い技術分野の上位3つは、先進的なAI(人工知能)とブロックチェーン、IoTだ。

 マクロ経済予測によると、今後数カ月間に直面する経済状況についてさまざまな予測が飛び交っているため、経営者は2023年の計画を慎重に捉えている。しかしその中で、技術への投資が柔軟性の向上と事業規模の拡大につながることは明白だ。

 Boston Consulting Groupの新ビジネスユニットであるBCG Xのリージョナルチェアを務めるセシュ・アイヤー氏は「ITベンダーは分野ごとに数多く存在するため、2023年の投資における優先順位を決めるのは簡単ではない」と指摘する。

 「選別すべき対象があまりに多く、それを実行する人材が必ずしもいるわけではないので苦労している企業は多いでしょう」とアイヤー氏は言う。

 最新の技術スタックでは、幾つかのレイヤーがシームレスに連携して動作することが必須だ。データとAIの分野だけでも、データインフラやデータガバナンス、AIと分析、ML(機械学習)などプロバイダーはさまざまなソリューションを提供している。

 ビジネスリーダーは適切なコンポーネントを選ぶことを考え、ビジネスバリューとスピード感を持ってリードしていくことが最も大切だと、アイヤー氏は強調する。

 正しい技術を選択することは、スタートラインに立ったにすぎない。アイヤー氏は、価値のある技術戦略を組み立てる際に、評価すべき5つの重要な分野を提案している。

  • どの技術を使うか
  • どのように規模を拡大し、展開するか
  • 誰が作業をするか
  • 優先的に取り組むべきプロジェクトとは
  • いつまでに投資対効果が得られるか

 Gartnerの予測によると、経営者は2023年、企業のIT投資に4.6兆ドルを投じる予定で、前年比5.1%の増加となっている。マクロ経済環境に対する懸念を表明する企業や従業員を雇用・解雇する企業もあるが、技術部門はほとんどの企業で事業運営に不可欠な存在であることに変わりない(注2)。

 アイヤー氏によると、最も投資価値のある技術を選択するためには、技術とビジネスのニーズを把握できるクロスファンクショナルチームを活用することが有効だ。「正しいソリューションが何であるかを決定するためには、クロスファンクショナルチームが一丸となって判断する必要があります」(アイヤー氏)

(注1)Mind the Tech Gap(BCG X)
(注2)Is enterprise IT recession proof?(CIO Dive)


© Industry Dive. All rights reserved.

アイティメディアからのお知らせ

注目のテーマ

あなたにおすすめの記事PR