SnowflakeマーケットプレイスにAgoopが参加、流動人口データの提供開始

流動人口データベースを持つAgoopが「Snowflakeマーケットプレース」に参加を発表した。マーケットプレース参加企業はリアルタイムに近い人の動きを自社マーケティングに生かせる。

» 2023年02月13日 13時47分 公開
[山口哲弘ITmedia]

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 スノーフレイクが展開するデータ交換のマーケットプレース「Snowflakeマーケットプレイス」に、新たにAgoopの流動人口データベースが加わった。スノーフレイクが2023年2月13日に発表した。

 スノーフレイクが提供するSnowflakeはデータウェアハウスとデータレイクの特長を併せ持ったフルマネージドのクラウド型データサービスだ。同社はこれを「データクラウド」と呼ぶ。クラウドネイティブなインテグレーションが可能な点などいくつか特徴がある。

 その中の1つがデータマーケットプレースの提供だ。Snowflakeユーザーが自社のデータセットをセキュリティを維持した状態で提供、販売できる仕組みで、国内ではウェザーニュースが気象データを提供するなどの事例がある。利用者は自社でデータ取り込みや加工処理などの工数をかけることなく、クラウドでデータ分析を完結されられる。今回、このマーケットプレースにAgoopの流動人口データが加わった形だ。

Snowflakeの機能イメージ(出典:スノーフレイクのWebサイト)

50メートル区画単位で属性別の人流を分析可能なサンプルデータも公開

 Agoopは、人々の移動や滞在を把握できる流動人口データを保有しており、これらのビッグデータを活用することで課題の解決や戦略の実現を支援している。提供を開始した流動人口データは、データ取得を許諾したユーザーのスマートフォンから取得した位置情報を秘匿化し、統計加工した位置情報ビッグデータ。地域ごとの時間経過による来訪および滞在人口推移や移動人口など、人に関する位置情報データを高精細に把握できる。

 Snowflakeマーケットプレイスでは、50m区画単位で集計した、東京都新宿区付近の2022年12月1日の約1時間分をサンプルとして無償で提供する。別途問い合わせることで、希望地域データの完全版を有償で提供する。提供データの種類は、順次拡張するとしている。

 Agoopの流動人口データは、最短1分単位で移動や滞在を緯度や経度、速度、方向別に把握できる。データ集計は50m区画単位の他、任意指定可能な多角形単位、観光エリア単位、道路区画単位で可能だ。来訪者の性別や年代、ペルソナなど、さまざまな属性が把握できるとしている。

 例えば、出店候補地の周辺状況や店の前の通行量などを把握して出店戦略の立案に活用できる。さらに、顧客・競合分析で需要を予測してオペレーションを改善することのほか、観光施策やイベント企画に伴う地域別の観光客流出入や来客者属性を分析するなどの効果測定、都市整備や交通施策のための道路単位の交通モード別通行量の把握といった用途に応用可能だ。

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