ChromeやAndroidでのオンライン決済がより安全に GoogleとAmexが提携Payments Dive

GoogleはAmexのバーチャルカードユーザーに新たなセキュリティ機能を追加したと発表した。これは2022年にGoogleが発表していた取り組みを具体化したもので、今後他のカード会社へも展開を予定する。

» 2023年03月08日 07時00分 公開
[Lynne MarekPayments Dive]

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 American Express(以下、Amex)はGoogleとの提携を強化し、米国におけるAmexバーチャルカード(注)のユーザー向けに新たなセキュリティ機能を追加した(注1)。この新しい提携は、当初より広範なGoogleキャンペーンの一環として2022年に発表された。

(注):オンライン決済専用の仮想カード。


 Googleは2022年、カード発行会社のCapital Oneと共同で、同社のバーチャルカードに自動入力のセキュリティ機能を提供する取り組みを開始した。「Google Chrome」(以下、Chrome)を使用して商品を購入したり、Chromeおよび「Android」アプリを介してバーチャルカードをタップしたりすると、同機能が作動する(注3)。

 Googleの広報担当者は「Visa」や「Mastercard」などのバーチャルカードユーザーに対しても、2023年後半にこの機能を搭載する見込みだと述べた。

より強固なセキュリティで、豊かなショッピングライフを実現

 Googleは、バーチャルカードのアップグレードの仕組みを説明するブログ記事でAmexのセキュリティ機能について発表した。同社の広報担当者によると、米国で使用されているほとんどの企業や商業、消費者向けのAmexで2023年2月第2週中にバーチャルカードの機能が提供される。

 同ブログ投稿には「バーチャルカードは、Capital OneまたはAmexクレジットカードを持つ誰もが利用可能だ。また、われわれはVisaとMastercardだけでなく、他の主要な銀行にも機能を提供するために取り組んでいる」と記載がある。

 「Google Pay」の責任者であるピーユッシュ・ランジャン氏は「テック企業は、オンライン詐欺の撃退を目的としたこの新しい提携から収益を得ていない」と述べている。Googleにとってのメリットは、自社のツールを使ったオンラインでの商売がより簡単で安全になることだ。

 Googleの「バーチャルカード番号」のサービスは、以下のような仕組みだ。

 バーチャルカード利用者が、ChromeやAndroidアプリで会計時に支払い情報を自動入力する際、Googleは実際のカード番号を独自のバーチャル番号に置き換えることで、セキュリティをもう一段階強化する。これによって、決済時にCVVコードの手入力が不要になり、加盟店ごとに暗号化されたクレジットカード接続が可能になる。

 Googleのサービスでは、ユーザーがバーチャルカード番号にアクセスし、どのカードがこの機能を利用できるかを確認し、最近のカード取引を見られるポータルを提供するなど、Webサイトを通じてバーチャルカードの詳細を管理する役割も担っている。

 Amexの製品管理兼デジタルラボ責任者のリサ・ヨコヤマ氏は「同社が提供するオンライン決済代行サービス『Google Checkout』は、オンラインでの支払いの安全性をさらに高め、便利なオンラインショッピング体験を実現する」と述べる。

 「かつてないほど多くの消費者がオンラインで買い物をする中、カード会員がさらに買い物を楽しめるように、新しいデジタル体験を革新していけることを誇りに思う」(ヨコヤマ氏)

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