日本企業のデータとアナリティクスが迷走しがちな理由と「必要な役割」

データドリブン、データ活用を目指す企業は多いが、成功するには必要な条件があるという。

» 2023年03月25日 09時17分 公開
[山口哲弘ITmedia]

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 ガートナージャパンは2023年3月23日、日本企業がデータとアナリティクス(D&A)で成功するために欠かせない役割を発表した。

日本企業のデータとアナリティクスが迷走しがちな理由

 ガートナーによると、日本企業のD&Aの特徴として、データ活用に取り組むに当たって、課題や目標が明確でないにもかかわらず、何らかの外部リソースや最新技術を採用する前提で選定作業を繰り返している日本企業が多く見られるという。同社は、「D&Aのリーダーはビジネス上の課題解決に貢献し、成果を得ることを目的や目標にして、戦略的に取り組む必要がある」としており、そのためには「プロフェッショナルで構成した強力なチームを作り上げる必要がある」と指摘する。

 ガートナーは、強力なチームを編成するには「多様なスキルと経験を持つ人材を確保し、明確な役割を割り当てた上で、相乗効果で総合力を高めなければならない」としており、D&Aの取り組みに必要な役割として、「CDO」(最高データ責任者)「D&Aマネジャー」「D&Aトランスレーター」「アナリティクス/BI開発者」「データアーキテクト」「データエンジニア」「倫理担当者」「データスチュワード」「データコンシェルジュ」の9つを挙げた。

 D&Aのリーダーは、求められる期待事項を経営層に確認し、それを踏まえてチームの布陣を描き出す必要がある。目指す成果や影響を及ぼす範囲、それに伴って拡大するチーム像を描く。条件がある場合は、経営層や人事部門などの合意を得て、描いた以上の成果を得られるようにチームを作る。

 ガートナージャパンのシニアディレクターアナリストを務める一志達也氏は、「D&Aで成功するには、経営戦略に沿ったビジネス成果にこだわり、それを達成できるチームを作り上げなければならない。D&Aのリーダーは、チームに必要なポジションを定義し、そこに適切な人材を割り当て、不足している能力を補うよう指導し、チームとしての成果創出と最大化に注力する必要がある。各メンバーは果たすべき役割や目指すべき成果を明確に認識し、スキルを高めてチームに貢献するプロフェッショナルであることが求められる」と述べている。

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