産業用制御装置向けデータ管理ソフトに任意のコード実行が可能な脆弱性 迅速な対応を

制御装置とつながるデータ管理ソフトウェアに脆弱性が見つかった。リモートで任意のコード実行ができるなどの問題がある。

» 2023年04月12日 07時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 JPCERT コーディネーションセンター(以下、JPCERT/CC)は2023年4月7日、日立エナジーが提供する産業用制御装置(SCADA)向けデータ管理ソフトウェア「MicroSCADA System Data Manager SDM600」に複数の脆弱(ぜいじゃく)性が存在すると発表した。

Hitachi Energy製MicroSCADA System Data Manager SDM600における複数の脆弱性(出典:JPCERT/CCのWebサイト)

脆弱性の影響範囲、対象、詳細は

 現時点で、この脆弱性を利用されて起こるとされる影響は以下の通りだ。

  • ユーザーに細工したメッセージを送信され、任意のコードが実行される
  • ユーザーにデータストアから機密データを窃取される
  • ローカルの高権限ユーザーに特権昇格が実行される
  • 第三者に遠隔から当該製品のWebサービスをビジー状態にされ、アプリケーションを応答不能にされる
  • 第三者によって遠隔から当該製品のデータにアクセスされる

 影響を受けるとされる製品およびバージョンは以下の通りだ。

  • SDM600 1.3.0(Build Nr. 1.3.0.1339)より前のバージョン(CVE-2022-3685)
  • SDM600 1.2 FP3 HF4(Build Nr. 1.2.23000.291)より前のバージョン(上記以外の脆弱性)

 報告されている脆弱性は以下だ。

  • CVE-2022-3682 - アップロードするファイルの検証が不十分な脆弱性
  • CVE-2022-3683 - 不適切な認可の脆弱性
  • CVE-2022-3684 - リソースの不適切なシャットダウンおよびリリースの脆弱性
  • CVE-2022-3685 - 不適切な権限管理の脆弱性
  • CVE-2022-3686 - 不適切な認可の脆弱性

 提供元の日立エナジーも脆弱性情報を公開しており、修正版も提供している。JPCERT/CCは最新版へのアップデートを推奨している。アップデートが適用できない場合は、一時的に問題を回避するためのワークアラウンドを適用することが推奨される。

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