UniDoxは社内外のデータを有機的に連動させ、それらを経営判断に有効な指標としてモニタリングし、経営者が行う経営判断のプロセス短期化や企画開発、製造、販売等、経営に関わるバリューチェーン全体の最適化、市場や消費者の変化への適応力向上を支援する。
NRIはUniDoxを通じて組織を支援する中で、クラウド型データ活用プラットフォーム「Domo」を活用している。さまざまなBIツールの中からDomoを選択した理由に、石綿氏は「ビジネス部門もデータに容易にアクセスでき、それに基づいた施策の立案などができるプラットフォームです」と評価した。
データの連携や加工、活用が容易であれば、組織内で特定の部署や人材に頼らなくとも迅速に施策を打てる。
「『データを見るだけ』の人たちにとっては、そのデータがいかに重要で妥当なのかはなかなか理解できません。データを扱うようになって初めてそのデータの妥当性が分かります。ビジネス部門がリアルタイムでデータを使える環境は非常に重要です」(石綿氏)
NRIの豊田英正氏(事業共創コンサルティング部 デジタル共創戦略グループ シニアコンサルタント)もDomoについて、「DXでは情報システム部門とビジネス部門の連携などが欠かせません。Domoは経営判断に必要な『データの抽出』『データの格納』『データの操作』『BIツールに表現』という機能をオールインワンで持っており、操作も簡単です。それが組織におけるデータの民主化につながります」と語った。
豊田氏はデータの民主化によって起きた変化として、「企業における事業報告・次期戦略検討レポート作成の自動化」を紹介した。
多くの企業は決算等の年度末といった年に1〜2度の節目で事業状況の振り返り、次期戦略検討を行いレポート化を行うことが多いが、この作業はこれまでエクセル等のデータを各所から集め分析し、3〜4カ月程度の期間を必要とした。一方、UniDoxなどを活用することで、企業は3〜4日程度で検討からレポート作成ができるようになった。
「データが民主化され、多くの人材が扱えるようになれば、特定のタイミングだけでなくコンスタントに経営指標(経営論点を決める閾値)データを確認できるようになり、経営判断に生かすこともできます」(豊田氏)
DXに取り組む企業に対し、石綿氏は「5〜10年といった中長期の計画をもって取り組むことが大切です。どの指標に基づいてどうデジタルファーストな組織を目指すか、ビジョンを持ちましょう。また、ビジョンは掲げたら終わりではなく、短期でパフォーマンスを確認しながら、いかに中期ビジョンに効いているのかを把握し、それを地道に積み重ねましょう」と話し、取材を終えた。
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