ソフトウェア会社のAtlassianはジェネレーティブAIを組み込んだサービスを発表した。これにより迅速な文書作成や課題解決が可能になり、利便性が向上するという。
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ソフトウェア企業のAtlassianは2023年4月19日(現地時間)、同社のソフトウェアにジェネレーティブAI(人工知能)を組み込み、サービスやプロジェクト作業に学習的な機能を追加すると発表した。
ユーザーは「Atlassian Intelligence」を通じて(注1)、OpenAIのジェネレーティブAIを活用でき、会議における議事録の要約や「Confluence」で文書化した製品仕様に基づいたツイートの作成、「Jira Software」で製品更新のテストプランの定義などができる。
また、企業のITチームは「Jira Service Management」でバーチャルエージェントを使用でき、ヘルプリクエストのアクティビティー要約や回答の作成、解決した問題や関連する課題の表示なども可能だ。バーチャルエージェントはConfluenceから関連する記事やページを推薦し、リクエストの解決も実施する。
Atlassian Intelligenceは既に利用可能で、企業はサインアップして待機リストに参加できる。企業がアクセスするにはオプトイン(サービスの利用に同意)する必要があり、特定のツールに対してオプトインするオプションも用意されている。例えばJira Service Managementにオプトインする一方でConfluenceにはしないといった判断も可能だ。
AtlassianのAI担当製品責任者であるシェリフ・マンスール氏によれば、同社は今後、管理コントロールやインサイトに関連する追加機能をリリースする見込みだという。
ジェネレーティブAIに関するデータプライバシーは企業にとって最大の関心事だ(注2)。多くのベンダーがジェネレーティブAI機能をサービスに組み込む中、ユーザー企業は従業員に「これらのモデルに何を入れるべきか」「何を入れてはいけないか」を伝える必要がある。
大規模な言語モデルで構築された他のツールと同様にAtlassianも未完成だ。テクノロジーがインターネットからのデータを使用している場合、誤った情報を生成する可能性がある。Atlassianはこれに対抗するために、設定とパラメータを使用して誤回答の可能性を減らしている。
「大企業や中小企業はAIに関して非常に慎重だ。われわれが構築する全てのツールにはフィードバック機能があり、エラーが発生した場合に問題が報告される」(マンスール氏)
Jira Service Managementにはユーザー企業の従業員が社内のデータベースに書き込んだ事実が反映されるため、「テクノロジーが不正確で説明の付かない結果を出すことはまずない」と同氏は述べる。
「ここで発生する可能性があるのは“陳腐化”の問題だ。誰かが書いた事実が更新されなければその情報は古くなるわけだから」(マンスール氏)
(注1)Introducing Atlassian Intelligence(Atlassian)
(注2)Samsung employees leaked corporate data in ChatGPT: report(CIO Dive)
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