基幹システムマイクロサービス化の障壁 OLTP処理のデータ一貫性を維持する方法

日立がマイクロサービスのOLTP処理実装を効率化するツールを発表した。開発者向けのフリー版の提供も計画している。

» 2023年10月23日 12時02分 公開
[荒 民雄ITmedia]

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 日立製作所(以下、日立)は、as a Service型ITプラットフォーム「EverFlex from Hitachi」の一つとしてマイクロサービスのオンライントランザクション処理(OLTP)の一貫性を確保する「Hitachi Microservices Platform - Paxos Commit Transaction Orchestrator」(以下、HMP-PCTO)を2023年10月23日から提供する。商用版の他、開発者が向けの学習および検証用にフリー版のHMP-PCTOも提供する計画だ。

HMP-PCTOを使った基幹システムのマイクロサービス化のイメージ(出典:日立)

COBOL資産のマイクロサービス化でトランザクションの一貫性を維持

 金融や交通、電力などの社会インフラを支えるミッションクリティカルな基幹システムの安定性を維持しながら、オンライントランザクション処理を持つ既存アプリケーションのモダナイズを推進する。

 基幹システムのモダナイズにおいては、軽量化や運用のしやすさ、機能追加などの開発のしやすさから、クラウドを活用しつつシステム全体をマイクロサービス化するアプローチを採る企業が増えている。だがマイクロサービスにおいて高いリアルタイム性とデータの一貫性が求められる金融取引などのOLTP処理を高い信頼性を持って実行するには、トランザクション処理の実装が課題となる。

 このため、基幹システムのトランザクション処理は専用ハードウェアで実装して信頼性を確保する方法が主流だったが、マイクロサービスにおいてはアプリケーションによって同等の処理を実装する必要がある。

 HMP-PCTOは、クラウド環境での通信分断に耐えられる信頼性*6のあるトランザクション制御機能を実現する。これによって、基幹システムの部分的なクラウド移行を実現しやすくなり、言語変換なしにマイクロサービス化が可能になり、アプリケーション全体をJavaなどに変換する大規模なモダナイズ手法と比較して、早期に業務サービス改善効果が期待できるとプレスリリースでは説明している。また、既存システムとフィンテックなどのモダンサービスとの連携においてもトランザクションの一貫性を維持しやすくなるため、新規サービス開発のスピードも向上するとしている。

新規サービスと既存基幹システムの連携イメージ(出典:日立)

 日立はすでにクラウドネイティブなアプリケーション開発に必要なOSSベースのクラウドAPI管理ソリューションを提供しており、2022年からはマイクロサービス開発基盤の一つとしてGlobalLogicのフレームワークを日本向けに強化した「Hitachi Microservices Platform」も提供している。

 日立ではモダナイズの構想策定から環境構築、運用までを日立の専門チームが支援する体制も整えており、「アセット活用開発支援ソリューション」やIT人材育成の支援メニューと組み合わせることで、業務サービス開発の内製化などの支援も手掛ける計画だ。

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