1Password、パスキー機能をパブリックβ版で提供開始セキュリティニュースアラート

1Passwordはパスキーの使用をパブリックβ版で公開した。新しい1Password Individualアカウントで利用でき、既存アカウントは2024年からの提供が予定されている。

» 2023年12月20日 09時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 1Passwordは2023年12月14日(現地時間)、パスキーの使用をパブリックβ版で公開した。これに参加することで1Passwordのアカウントパスワードと秘密鍵の代替としてパスキーが使用できるようになる。

 同機能は本稿執筆時点では新規アカウントの「1Password Individual」アカウントが対象となっており、既存のアカウントについては2024年から提供を開始する。

1Passwordはパスキーの使用をパブリックβ版で公開した(出典:1PasswordのWebサイト)

1Passwordでパスキーを利用する方法は?

 1Passwordでパスキーを使う方法は以下の通りだ。

  1. 1Passwordをダウンロードしていない場合は先にダウンロードしておく
  2. モバイルまたはデスクトップのサインアップリンクを使ってパブリックβ版に参加する
  3. 新しい個人アカウントを作成する
  4. プロンプトが表示されたら指示に従ってパスキーを生成する

 パスキーは公開鍵暗号方式による認証システム。スマートフォンやPCといったデバイスで公開鍵と秘密鍵のペアを生成し、公開鍵の方を対象となるサービスに登録する。秘密鍵はデバイスが保持し外部に出すことはない。

 認証の段階でこのデバイスに保存された秘密鍵を利用するため、秘密鍵が存在しているデバイス以外からは認証できない仕組みになっている。スマートフォンやPCでは顔認証や指紋認証といった生体認証システムと組み合わせることで、生体認証が通ったらパスキーによる認証を実行するといった手順を踏むことで手軽さと安全性の双方を実現している。

 パスキーは鍵を生成したデバイスそのものに依存することから、デバイスを紛失した場合はログインできなくなる。このため1Passwordは、信頼できる複数のデバイスからパスキー利用の設定を実施することを推奨している。仮に全てのデバイスが紛失した場合でもアクセスできるようにリカバリーコードを安全な場所に保存したり印刷したりして保持するオプションも提供している。

 大手テクノロジーベンダーはすでにパスキーへの対応を実施している。1Passwordは2023年夏の段階からプライベートβ版でパスキーのテストを開始し、今回パブリックβとして対象を広げることを発表した。1Passwordはパスキーが1Passwordの利用をより安全にするものだと考えており、ユーザーに対してパスキーの使用を推奨している。

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