75%の組織が「現状のデータ保護に不安」 デルがグローバル調査を発表セキュリティニュースアラート

デルは全世界のIT意思決定者1500人を対象としたデータ保護に関する調査結果を発表した。組織の75%がデータ保護対策の不足を感じているという。

» 2024年01月22日 08時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 デル・テクノロジーズ(以下、デル)は2024年1月18日、世界の公共機関および民間企業のITセキュリティ意思決定者1500人の意見を集めたデータ保護に関する調査結果を発表した。調査対象1500人のうち、日本やオーストラリア、インド、韓国、シンガポールを含むアジア太平洋(APAC)地域からは375人が調査の対象となっている。

デルはデータ保護に関する最新の調査結果を発表した(出典:デルのWebサイト)

データ保護の現状と生成AIが及ぼす影響とは?

 この調査によって多くの組織がデータ保護に関する重要な課題を抱えていることが判明した。テレワークの増加と生成AI(人工知能)の影響によってデータ保護の複雑さが増している。

 調査結果の注目点は以下の通りだ。

攻撃

  • 調査対象の組織の75%が「既存のデータ保護対策ではランサムウェアの脅威に対処できない」という不安を抱えている
  • 52%が「この12カ月以内にデータへのアクセスを阻害するサイバー攻撃を受けた」と回答した。これはこの5年間で最も高い割合だった
  • 81%の組織が「テレワークの増加によってサイバー攻撃によるデータ損失へのリスクが高まった」と考えている

復旧

  • 69%が「破壊的なサイバー攻撃が発生した場合に確実に復旧できる自信がない」と回答した
  • 85%の組織がデータにアクセスするために身代金を支払うことを余儀なくされた
  • 93%の組織がランサムウェア保険の利用について言及しているが、複数の条件によって適用範囲が制限される可能性があることを指摘している

予防

  • 59%の組織がサイバー攻撃からの復旧よりも予防に多く投資している
  • 50%がリソースを強化するため外部から専門家のサービスを導入した
  • 49%が定期的にサイバーリカバリーテストを実施した
  • 42%が本番環境のデータから物理的・論理的に隔離された「Cyber Recovery Vault」を展開した

生成AI

  • 52%が「生成AIが組織のサイバーセキュリティポスチャにメリットをもたらす」と考えている
  • 88%が「生成AIによって新たなデータが大量に生み出され、将来のデータ保護戦略を策定する際にこれらを考慮する必要がある」と考えている

クラウド

  • 79%のIT意思決定者は組織がパブリッククラウド全体にわたって全てのデータを保護できるということに確信を持っていない
  • 40%が「パブリッククラウドやマルチクラウドのデータセキュリティについて課題がある」と考えている
  • 56%が「マルチクラウド運用を実現する上でデータ保護とサイバーセキュリティが最も重要である」と考えている

 デルのルーカス・ソルター氏(アジア太平洋、日本、中国データ保護ソリューションズ担当ジェネラルマネジャー)は「膨大なデータ量の増加やデータモビリティー特有のニーズ、生成AIを使った実験の増加を背景に、アジア太平洋地域および日本の組織は、データを効果的に保護するために、複数の課題に対応しなければなりません。サイバー攻撃の頻度と巧妙さが増している時代においては、サイバーレジリエンスを高めるソリューションの統合ポートフォリオを基盤にした総合的なデータ保護戦略が必要です」と語る。

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