在庫管理の“あるあるミス”と解決法20選 ツールの活用で防げるリスクたち(2/2 ページ)

» 2024年02月29日 08時00分 公開
[Paul MaplesdenTechTarget]
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11.輸送能力不足

 企業は物流網を使って商品を輸送しなければならないため、在庫管理には輸送計画を立て、運送業者が商品を効率的に輸送できるようにするための手配も含まれる。

 多くの企業はこれらの業務を貨物および輸送ブローカーやサードパーティーの物流業者に委託している。

12.保管場所の不足

 倉庫のスペースは限られているため、在庫管理には商品を安全かつ適切な方法で保管できるよう、倉庫の容量に関する計画立案も含まれる。例えば、牛乳は冷蔵エリアで保管しなければならない。

 この問題を解決するため、繁忙期にバックアップの倉庫を利用する企業もある。

13.動きの速い商品への注意不足

 需要が高い商品は倉庫内での動きが速く、入荷時の数え間違いや不適切な場所での保管、ピッキングや包装を間違えるといったミスが発生しやすい。

 このようなミスを防ぐため、在庫管理では動きの速い商品をより頻繁にカウントすべきだ。

14.手作業への依存

 在庫管理ソフトウェアを導入する余裕がなく、手作業による注文や棚卸しに頼っている企業もあるだろう。そのようなやり方は発注ミスやカウントミスにつながるおそれがある。

 在庫管理プラットフォームを活用すれば、非効率な工程を改善し、在庫処理や補充、フルフィルメントを改善できる。

15.梱包資材の不足

 商品の保管と流通には適切な梱包資材とラベルが不可欠だ。

 商品を保護し破損なく顧客に届けるため、ピッキングや包装の担当者向けに十分な資材を用意しておくことも在庫管理には必要とされる。

16.棚卸しの先延ばし

 棚卸しとは、在庫レベルをカウントし社内のソフトウェアシステムに記録されている在庫データと比較することだ。在庫量の不一致は、商品ラベルの貼り間違いや保管場所の間違い、盗難などの要因によって引き起こされる。

 倉庫があまりに大きく、数週間から数カ月に一度しか在庫をカウントできない場合、不一致の原因を調査して再発を防止することがさらに難しくなる。棚卸しは手間がかかるが、データとの不一致を特定して対処するには必要なことだ。

17.倉庫業務の中断

 旧来の棚卸しの方法では、在庫を正確にカウントするために商品の入荷や発注処理を停止しなければならない場合がある。倉庫業務を停止すると顧客からの受注が滞るおそれがある。

 最新の棚卸しシステムを導入すれば、在庫数をリアルタイムでカウントし、商品の入荷や流通に応じて予想される在庫レベルを調整することで、この問題を解決できる。

18.データの透明性の欠如

 在庫の調達や製造、輸送、保管、フルフィルメントは、複雑なサプライチェーン全般にわたって複数の企業が関与するため、データの透明性確保が不可欠だ。

 在庫管理プラットフォームを活用すれば全関係者で情報を共有できるため、業務効率の向上につながる。

19.他のソフトウェアやシステムとの統合が不完全

 在庫管理プラットフォームは、他のソフトウェアと適切に統合されていなければならない。

 ERPをはじめとするシステムとの統合が不十分だと、発注の送信や商品の現在位置の特定などが難しくなる。

20.サプライチェーンの迅速性の欠如

 地政学的緊張、関税などの要因がサプライチェーンに影響を与えることがある。こうした不測の事態に備えることも在庫管理の一要素だ。

 具体的には、リアルタイムの追跡やデータの共有、予測などの体制整備への投資に加え、予備のサプライヤーの確保などが考えられる。

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