Snowflakeが新CEO就任でAI戦略を強化 新たに1000人の従業員雇用を予定CIO Dive

Snowflakeの新CEOにスリダール・ラマスワミ氏が就任した。同氏はこれまでAI担当シニアバイスプレジデントを務めていた人物だ。同社はこれを受けてAI戦略に大きく舵を切る計画だ。

» 2024年04月20日 07時00分 公開
[Matt AshareCIO Dive]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

CIO Dive

 2024年2月28日(現地時間、以下同)、クラウドサービスを提供するSnowflakeのCEOに、引退を発表したフランク・スルートマン氏の後任としてスリダール・ラマスワミ氏が就任した。Snowflakeは発表の中で、2019年にCEOに就任したスルートマン氏は引き続き取締役会会長にとどまると述べた(注1)。

新CEO就任でAI戦略のさらなる強化を狙う 手始めに出るサービス

 ラマスワミ氏は、Googleでの15年のキャリアを経てAI検索エンジンの新興企業Neevaを共同設立した。そして、同社をSnowflakeが買収した2023年5月にAI担当シニアバイスプレジデントに就任した。新CEO就任でSnowflakeはAI戦略に大幅に舵を切ることになる。その詳細とは。

 この経営陣の変更は、2023年11月にAIアプリケーションビルダー「Cortex」をローンチしたSnowflakeにとって、AIを活用したデータサービスの急成長を促進させる一歩となる(注2)。「生成AIの急激な進化に伴い、当社は新しい世界が提示する課題を乗り越えるために、積極的に技術を推進できる技術者を必要としている」と、スルートマン氏は2024年2月28日、第4四半期決算説明会で述べた(注3)。

 2023年の最適化推進の流れを受け、データを大量に必要とするLLM(大規模言語モデル)はクラウドストレージの利用を後押し、Snowflakeは恩恵を受けた。

 同社の製品売上高は2024年1月31日までの3カ月間で前年同期比33%増の7億3810万ドル、会計年度では前年同期比38%増の約27億ドルとなった。この利益は、企業のデータに対するニーズの高まりを反映したものである。

 「データ戦略なくしてAI戦略はない。これはSnowflakeにとって大きなチャンスだ」とラマスワミ氏は2024年2月28日に語った。

 同氏はCortexの立ち上げを主導し、2024年6月に開催される「Data Cloud Summit 2024」に合わせて一般提供を開始する予定だ。

 SnowflakeのML(機械学習)を含むAIコンテナサービスは現在、「AWS」(Amazon Web Services)においてパブリックプレビューとして提供されている。また、クリスチャン・クレイナーマン氏(製品担当エグゼクティブバイスプレジデント)は電話会議の中で「ドキュメントAIによる自然言語データ抽出ソリューションとAIを搭載したSQLコパイロットツールとともに2024年6月リリース予定だ」と話した。

 「ドキュメントAIは、あらゆる企業が大量に持つPDFなどの非構造化文書から構造化された情報を抽出するものだ」(ラマスワミ氏)

 このAI支援ツールは自然言語処理を使用し、データベースのクエリを簡素化する。

 「大きく変化した点は、Snowflake内の構造化データにアクセスし、それを多くの人々が利用できるようにしたことだ」(ラマスワミ氏)

 同社はAIの生産ラインを増強するため、さらに1000人の従業員を雇用し、GPUハードウェアに約5000万ドルを投入する予定だとCFO(最高財務責任者)のマイク・スカーペリ氏は語った。

 「採用単価が高い人材の多くはR&D(研究開発)領域であり、今後もMLを含むAI分野での雇用が増えるだろう。これらのエンジニアは採用コストが非常に高額だ」(スカーペリ氏)

© Industry Dive. All rights reserved.

注目のテーマ