大企業でプロセスマイニング導入急拡大のなぜ ITR調査で判明した「2つの理由」

ITRによると、国内のプロセスマイニング市場は大企業を中心に今後も高成長が続くという。需要をけん引する要因は何か。

» 2024年08月14日 07時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

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 アイ・ティ・アール(以下、ITR)は2024年7月23日、国内のプロセスマイニング市場規模推移および予測を発表した。

 プロセスマイニングとは、業務システムに蓄積されているイベントログなどを入力データとして、部門をまたぐ業務プロセスの処理パターンを可視化、分析する製品やサービスを指す。プロセスに関わる工数の算出や、例外処理やボトルネック、不十分な職務分掌の抽出などを通して、全社規模での業務改善を支援する。

大企業を中心に導入拡大 なぜニーズが増えているのか

 プロセスマイニング市場の2023年度の売上金額は25億7000万円で、前年度比46.9%増となった。2024年度の市場も同38.9%増を予測している。急成長の理由は何か。

 ITRは、業務プロセスの効率化や自動化を実現できる製品・サービスとしてプロセスマイニングの市場認知度が高まり、大企業を中心に導入が拡大しているとしている。

 ベンダー別で見ると、高いシェアで市場の伸びを牽引しているCelonisだけでなく、他のベンダーも高成長を示している。同市場の2023〜2028年度の年平均成長率(CAGR)は23.9%で、2028年度の市場規模は75億円に達するとITRは予測する。

2022〜2028年度のプロセスマイニング市場規模推移および予測(出典:ITRのプレスリリース)

 ITRの舘野真人氏(プリンシパル・アナリスト)は、「データに基づいて複雑なビジネスプロセスの可視化や分析、改善を支援するプロセスマイニングは、AIの進展と、専門知識を持たない人でも扱いやすい製品、サービスの登場などにより、企業ではより現実的な投資対象と捉えられてきている。特に、原材料費の高騰や国際紛争の影響により調達・購買分野での採用が活発化しており、市場に対する注目度は引き続き高まることが期待される」とコメントした。

 同社が発行する市場調査レポート「ITR Market View:RPA/iPaaS/ワークフロー市場2024」には本稿で紹介した分析の詳細が掲載されている。同レポートにはRPA、iPaaS、BPM、BRMS(Business Rules Management System)、ワークフロー、タスク・マイニング、プロセスマイニング、SaaS管理の全8分野を対象に、国内60ベンダーに実施した調査に基づいた2022〜2023年度売り上げ実績および2028年度までの売り上げ予測を掲載しているという。

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