企業はサイバーレジリエンスを過大評価している? Cohesityのグローバル調査セキュリティニュースアラート

Cohesity Japanはサイバーレジリエンスに関するグローバル調査を発表した。多くの企業が自社のサイバーレジリエンス戦略に自信を持っている一方で、ランサムウェア被害にも遭っていることが分かっている。

» 2024年08月27日 08時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 Cohesity Japanは2024年8月26日、2024年版のサイバーレジリエンスに関するグローバル調査結果「The Cohesity Global Cyber Resilience Report 2024」を発表した。同レポートは、2024年6月27日〜7月18日にかけて8カ国のITやセキュリティの意思決定者3100人以上を対象に実施された調査結果をまとめたものだ。

 企業が自社のサイバーレジリエンスを過大評価している現状が浮き彫りになっており、ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃の脅威が依然として増加していることが明らかにされている。

サイバーレジリエンスを過大評価? グローバル調査から分かった企業の実態

 The Cohesity Global Cyber Resilience Report 2024の主な調査結果は以下の通りだ。

  • 回答者の78%が「自社のサイバーレジリエンス戦略に自信を持っている」と答えたが、67%が2024年にランサムウェアの被害を受け、96%が自社のサイバー攻撃の脅威が増加すると予測している
  • 83%が身代金を支払う意向を示しており、75%が100万ドル以上、22%が500万ドル以上を支払うと回答した
  • 77%が身代金を支払わないポリシーを持っているにもかかわらず、過去1年間に69%が実際に身代金を支払っている
  • サイバー攻撃から「24時間以内に復旧できる」と答えたのはわずか2%だった。18%が1〜3日以内、32%が4〜6日、31%が1〜2週間を要すると回答した
  • 目標とする最適な復旧時間については98%が「目標は1日以内」と回答した
  • 多要素認証(MFA)を導入している企業は52%、定足数管理または複数の承認を必要とする管理規則は49%、役割ベースのアクセス制御は46%だった
  • 過去1年以内にAIベースと思われる攻撃や脅威に対応した経験があるのは80%で、そのうちの82%がそれら脅威に対応するAIを活用したソリューションを持っていると回答した

 CohesityのCISO(最高情報セキュリティ責任者)兼CIO(最高情報責任者)であるブライアン・スパンスウィック氏は次のように述べている。

 「サイバーレジリエンスが重要な理由は、攻撃者のインセンティブとモチベーションが非常に高く、攻撃対象がとてつもなく広大であるためです。サイバー攻撃やデータ漏えいが成功すると、ビジネスの継続性が大きく損なわれ、収益や企業の評判、顧客の信頼に影響を与えます。このリスクは、ITやセキュリティのリーダーだけでなく、ビジネスリーダーが対処すべき最優先事項に置かれるべきです。サイバーレジリエンスを発展させ、データセキュリティのベストプラクティスや能力を採用する上で、規制や法律は『上限』ではなく、高い『最低基準』であるべきです」

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