生成AI向けの機密データをクラウドで保管、オンデマンドでAIを利用可能に 富士通技術トレンド

富士通は2025年2月13日、クラウド型生成AIサービス「Fujitsu クラウドサービス Generative AI Platform」の提供を発表した。データの機密性を保ちながら、安全に生成AIを活用可能なプラットフォームとされている。

» 2025年02月20日 09時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 富士通は2025年2月13日、機密性の高いデータを安全に管理し、オンデマンドで生成AIを活用できる新サービス「Fujitsu クラウドサービス Generative AI Platform」を発表した。このプラットフォームは専用のクラウド上のプライベート領域にデータを保管し、高価なGPUリソースを共同利用することでコストを削減する。また高度な生成AIセキュリティ技術により、データセキュリティを強化している。

 正式提供は2025年度から予定されており、先行トライアルも実施される。

気密性の高いデータを安全に管理、AIリソースもオンデマンドで提供

 近年、生成AIを業務に活用する動きが加速しているが、機密情報や個人情報の取り扱いにおいてはデータ漏えいやAIによる不正学習などのリスクが課題となっている。本サービスはデータの機密性を確保しながらAIを業務で活用するためのクラウドサービスとされている。

 本サービスの主な特長は次の通りだ。

  • クラウド上のプライベート領域でデータを管理し、機密性の高い情報も生成AIで安心安全に活用可能: 企業ごとに専用のクラウド上のプライベート領域を設け、機密性の高いデータを外部に漏えいさせることなく生成AIで活用できる環境を提供する。ファインチューニング用データやファインチューニング後のLLM、RAG(Retrieval-Augmented Generation)用データがこの領域に保管されるため、意図しないAI学習のリスクを防ぐ
  • 高価なGPUリソースをクラウド上で共同利用しコストを削減: 推論および学習用GPUサーバをクラウド上で共同利用することで時間単位での利用コストを抑制する。推論用・学習用に標準化されたGPUサーバを活用することで、初期構築にかかる費用や手間も軽減される。オンプレミス環境での導入を希望する企業にはエフサステクノロジーズの「Private AI Platform on PRIMERGY」やSupermicroのGPUサーバなどの提供も可能
  • 高度な生成AIセキュリティ強化技術とクラウドセキュリティ対策・運用ノウハウにより、生成AIをセキュアかつオンデマンドで利用可能: 富士通の生成AIセキュリティ強化技術により、LLMを通じて参照権限のない情報が誤って引き出される事態を防ぐ。また国内最高水準であるJDCCティア4相当のデータセンターを基盤とし、第三者監査や脆弱(ぜいじゃく)性対応を実施することでクラウド上での生成AI利用の安全性を確保している

 本サービスの正式提供に先立ち、RAG利用を含む一部機能を試せる先行トライアルが実施される。受付期間は2025年2月13日〜3月31日まで。

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