IDC Japanは2024年の国内ソフトウェア市場が前年比12.1%増の5兆3729億3300万円に成長したと報告した。成長の要因はなんだろうか。
IDC Japan(以下、IDC)は2025年6月9日、2024年の国内ソフトウェア市場に関する最新の調査結果を発表した。IDCが発行した「IDC Worldwide Semiannual Software Tracker」によると、2024年の国内ソフトウェア市場は前年比12.1%増の5兆3729億3300万円と堅調に成長したと推定している。
同調査は、ソフトウェア市場(パブリッククラウドサービスを含む)を3つの大分類市場、20の中分類市場、79の機能市場に区分し、グローバルおよび国内ベンダーの売り上げ額と市場動向を分析している。2024年の成長要因としては、生成AIを含むAIの企業利用の本格化、アプリケーションのモダナイゼーション、サイバーセキュリティ対策の増加などを挙げている。特に生成AIを含むAIプラットフォーム、データ管理/コンテンツ管理、CRMアプリケーション、セキュリティソフトウェアの各市場が成長をけん引したと報告している。
またパブリッククラウドサービスの売り上げも引き続き拡大し、2024年は前年比22.1%増の2兆3386億500万円に達し、全ソフトウェア市場の43.5%を占めるまでに成長した。国内市場においてパブリッククラウドサービスの規模が初めて2兆円を突破したことも注目されている。
2024年のソフトウェア大分類市場のトレンドは次の通りだ。
今後の見通しとして、IDCは2025年6月時点において国内経済は地政学的不安定、為替/貿易の変動、インフレ懸念といった要因によって先行きが不透明な状況にあると指摘し、企業のIT投資の伸びはやや鈍化する可能性があると予測している。その一方で2027年以降には回復基調に戻るとの見方を示している。
特に生成AIやAIエージェントの業務組み込み、デジタルCXの自動化、サイバーセキュリティ対策に向けた投資は継続的に拡大し、2024〜2029年の国内ソフトウェア市場の複合年間成長率(CAGR)は10.2%となり、2029年には8兆7261億円に達すると予測している。各ソフトウェア大分類市場のCAGRは、アプリケーション開発/デプロイメント市場が17.9%、アプリケーション市場が7.1%、システムインフラストラクチャソフトウェア市場が7.0%になるとIDCはみている。
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