「@Copilot」でTeamsグループチャットにAI呼び出し可能に 利用手順と注意点AIニュースピックアップ

MicrosoftはTeamsのグループチャットでMicrosoft 365 Copilotを利用可能にした。従来の1対1利用から拡張し、会話の要約や質問応答、ドキュメント整理を支援する。利用には条件があり、共有制御や制限も設けられている。

» 2025年11月01日 08時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 Microsoftは2025年10月25日(現地時間)、「Microsoft Teams」(以下、Teams)のグループチャットで「Microsoft 365 Copilot」(以下、Copilot)を利用できる機能を発表した。複数の参加者が同時にCopilotとやりとりできる。この仕組みは、共同作業の効率化と情報整理の支援を目的としている。

TeamsグループチャットでCopilotが利用可能に

 グループチャット内でCopilotを追加すると、会話の要約、質問への回答、ドキュメントやファイルからの情報整理、Webの情報を参照した回答生成、会議のアジェンダやプロジェクト概要の作成など、さまざまな作業を支援する。

 利用手順は以下の通りだ。

 まずTeamsチャットを開く。メッセージ入力欄に「@Copilot」と入力して候補から選択し、送信するとCopilotがチャットに追加される。

「@Copilot」で呼び出し(出典:MicrosoftのWebサイト)

 参加者リストにCopilotが表示され、追加直後に自動でウエルカムメッセージが送信される。以後、メッセージ内で「@Copilot」と入力することで、チャットの全員が閲覧可能な応答を得られる。

 ただし、使用する情報源のうち一部が他の参加者に共有されていない場合、応答はまずプレビューとして提示され、共有するかどうかを選択できる。共有を拒否した場合、チャット全体には「応答を共有できなかった」と表示される。

生成に使用したデータのアクセス権限によっては、個人宛に事前確認を実施(出典:MicrosoftのWebサイト)

 Copilotをチャットから削除する場合は、チャットのメンバー一覧で「Agents and bots」の項目から「X」ボタンを押す。ただし、個人チャットでの利用権限は残る。

 1対1のCopilotチャットから新しいグループチャットを作成する機能も追加する。Teams上部の「Start a new chat」ボタン横にある下向き矢印を選び、「Start a group chat in Teams」を指定すると、参加者の追加と、過去のやりとりのうち共有するメッセージ数を設定できる。

 Copilotの応答は、プロンプトを入力したユーザーがアクセスできる情報に基づいて生成される。これにはドキュメントやチャット、チャンネルメッセージの履歴、Web検索結果などが含まれる。

 利用例としては、チャット内容を基に週次アジェンダを作成し、役割ごとにタスクを割り当てることや、過去1週間のチャットの要約と次週の行動計画の提示、最新ニュースの要約、特定ドキュメントからFAQを生成することなどが挙げられている。

 既知の制限として、Copilotは会議チャットや自分自身とのチャットには追加できない。チャット作成時点での追加は非対応であり、Copilotのエントリーポイントからグループチャットを作成する場合は常に新しいチャットが生成される。1対1のCopilotチャットからグループチャットに共有できるメッセージは最大10件までとなっている。加えて、Teams内のCopilotではテキストから画像を生成する機能は未対応であり、グループチャットの作成や削除の操作は現時点でモバイル端末からは実行できない。

 プライバシーについては、Copilotの全体設計と同様に、セキュリティやコンプライアンス、プライバシーの基準を順守している。詳細は「Data, Privacy, and Security for Microsoft 365 Copilot」に基づいており、職場や教育機関での利用を前提に構築されている。

 利用要件として、Copilotのサブスクリプションが割り当てられていること、対象のチャットまたはチャンネルのメンバーになっていること、IT管理者によってTeams内でアプリの使用が許可されていることが必要となる。ライセンスを持たないユーザーも通常通りチャットに参加できるが、Copilotへのメンションや質問はできない。その場合でも、他のユーザーが生成したCopilotの応答は閲覧できる。

 この機能はIT管理者が更新ポリシーで「Show preview features」を有効にすることで試用できる。

 生成される応答に含まれる不適切な内容を軽減する仕組みを備えているが、Microsoftは利用者に対し不正確または予期しない結果を報告するよう求めており、Copilotの品質と安全性を継続的に改善する取り組みを進めている。

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