AWS、仕様駆動IDE「Kiro」の一般提供を開始 プレビュー版から機能を追加AIニュースピックアップ

AWSは仕様駆動型AI開発環境「Kiro」の正式版を提供開始した。AWSは仕様を開発の中心に据える手法が「広く採用された」とする。正式版ではどのような機能が追加されたのか。

» 2025年11月20日 08時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 Amazon Web Services(AWS)は2025年11月17日(現地時間)、AIを活用した仕様駆動型の開発環境「Kiro」の一般提供開始を発表した。AWSは2025年7月のプレビュー開始以降、要求仕様を中心に据える手法が「広く採用されてきた」とした。今回の正式版では仕様の検証やターミナルでの利用、チーム運用を支援する機能群が新たに追加されている。

Kiro正式版リリース プレビュー版から大幅強化

 正式版の主な拡張要素は以下の通りだ。

 プロパティベーステスト(PBT)が導入された。ユニットテストが個別の事例を扱うのに対し、この手法は仕様から抽出した一般的な規則を使い、ランダム生成した大量のテストケースで実装の挙動を調べる。KiroはEARS(Easy Approach to Requirements Syntax)形式で書かれた要件を解析し、論理的に検証可能な性質を抽出する。例えば、車両販売アプリの「認証済み利用者が任意の車両をお気に入りに追加した場合、閲覧可能であるべき」といった性質を基点に、多様な組み合わせを自動生成して評価する。Kiroは反例が見つかった際に境界条件を特定し、実装の更新や仕様側の調整など複数の対処手段を提示する。この手法は形式的証明ではないが、人手では網羅しにくい領域を広く試験し、動作の一貫性を確認する材料を提供するという。

 また、チェックポイント機能も追加された。エージェントによる変更ごとにチェックポイントが記録され、任意のステップにロールバックできる。作業途中に巻き戻しが必要になった場合やクレジットを使って作業をやり直したくない場合に有効だという。マルチルートワークスペースのサポートも追加されている。複数のプロジェクトルートを同時に扱えるようになり、複数のgitサブモジュール群や複数パッケージを扱う構成でもAIエージェントを使って横断的に作業できる。

 「Kiro CLI」も導入された。Kiro CLIはターミナル環境でKiroエージェントを利用するためのインタフェースだ。このインタフェースを使って機能の構築やワークフローの自動化、エラーの分析、バグの追跡、修正の提案などを短時間で実行できるようになる。IDEと同一のサブスクリプションで利用でき、クレジット制限と超過分は両ツールで共有される。

 チーム向けの機能も強化され、「AWS IAM Identity Center」を介したサインアップが可能になった。管理者はAWS IAM Identity Center経由でアクセスやサブスクリプション種別、超過分設定、コスト監視、MCPの制御、請求を一元的に管理できる。

 スタートアップ向けの「Kiro Pro+」のオファーも案内されている。世界各地で1年間のPro+ティアアクセスを提供し、2025年12月31日までクレジットの在庫がある限り、シリーズB段階までの企業が申請可能としている。

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