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» 2005年07月16日 12時00分 公開

最先端BPM実践講座(2):経理・経営管理項目モニタリングでCFOの悩み解決! (1/3)

[大川原文明,IDSシェアー・ジャパン株式会社]

ほとんどの企業では、企業経営の最重要指標として、四半期ごとに事業計画が立てられる。事業計画策定の中心的存在である経営管理部門やCFOは、せっかく自らの時間や労力を費やして策定した事業計画が、「その後の実行管理・分析(報告)プロセスで失敗しているのではないか?」という疑問を持っているのではないだろうか。ここでは、その疑問をひも解き、問題を解決するためのポイントと手順を紹介する。

CFO/経営管理部長の悩みの種は?

 筆者がこれまで実際に相談を受けたり、何よりも前職において疑問を通り越して憤りさえ感じていたのは、「事業計画と実行管理の分断」です。筆者がいまも実際に受けている「CFO/経営管理部長」からの悩みの多くは、主に以下のような内容です。

(1)事業計画の実行や実績収集、分析のプロセスが分断している

(2)各計画値の実質的な管理・実行責任者もあいまいである

(3)計画根拠(基準指標)が甘い。特に市況情報や新製品情報が加味された計画や戦略がないことが致命的。率直なところ、前年比ベースでの計画にしかなっていない

 このほかにも、まだまだたくさんあります。

 第1には、期首に膨大な時間と知恵を絞って策定した計画にもかかわらず、期末時点では形式的な分析報告と「来期頑張ろう!」の掛け声で終わってしまうパターンです。次にマネジメントの責任が果たせていないパターン。第3には、計画投資予算の使い道が実行時点において、適切になっていない(形式的な予算消化になってしまっている)パターン。最後には社長の参謀役として、市場の声や変化を察知した、俊敏で的確な期中の経営航路変更が提案できていないパターンです。

 さらに多くの企業では計画プロセスの1つを見てみても、市場スピードと乖離(かいり)してしまっている実態があります(図1)。

ALT 図1 年度計画策定プロセスと市場スピードとの乖離

 市場スピードと俊敏な対応が求められる企業にとって、この乖離は致命的です。そこで、筆者が受けた相談内容を解決していったポイントと手順を以下に紹介します。

 大切なポイントは3つです。

「計画根拠と責任者を明確にすること」

「計画・実行モニタリングプロセスを定義すること」

「計画・実行モニタリングプラットフォームを準備すること」

(前提)計画・モニタリング・コントロール項目の定義

 ここでは説明上、以下の図2で示す「A〜Dの事業分野(X軸)」と「(国内、アジア、欧州、米国)の販売エリア(Y軸)」に対して、「(売上高、営業利益、売上原価、ROA、ROE、ROI)といった経営指標値(Z軸。以下、経営管理項目と呼ぶ)」を、計画・モニタリング・コントロールする項目と位置付けます。この例における業種は製造業で、年に2回新商品を出す中で市場競争を勝ち抜いていかなければならない企業と定義します。

ALT 図2 説明上の企業モデルと経営管理項目

 以下が、前述のポイントに基づいた解決手順と、課題ならびにその解決方針です。

手順1

 まず、経営管理項目の関係と管理責任者を明確にします(図3)。

ALT 図3 経営管理項目と管理責任者のモデル化例
ALT 図3-1 図3の赤枠内を拡大

課題と解決方針1

 さあ、書けましたか? 形式的に、当てはめただけではいけません。事業ごとに、その販売エリア責任者が、戦略と指標をもって(戦略と指標の設定については、手順2で述べます)計画を立てていますか?

 さらに、それを各事業責任者と販売エリア責任者が合意し、最終的に社長までつながるプロセスになっていますか? 計画責任者が不明確なままでは、実行責任があいまいになることはいうまでもありません。まず、計画責任者を明確に定義してください。

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