「Notes見える化」のススメ“見える化”によるグループウェア再生術(1)(3/3 ページ)

» 2006年05月23日 12時00分 公開
[砂金 信一郎(リアルコム株式会社),@IT]
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「見える化」へのログ活用

「見える化」には、基礎データが必須

 一般的に、企業内を「見える化」する際には、在庫量や欠品率などを指標として得るために行うことが多い。その際、必要となるのは入出庫記録や受発注件数など、企業内の動きが把握できる基礎データである。

 ユーザーアンケートを通して購買要因を探り、その背後にあるメカニズムを解明したうえで、購買増に最もヒットするであろういくつかの指標を打ち立て、継続的に管理している企業もある。その際、POSデータから集計される販売実績や各種統計資料から得られる保有状況などの基礎データは、やはり分析を行ううえで必須となってくる。

Webサイトにおけるログ分析とNotesのログ分析

 また、インターネット上のWebサイトは、ECサイトや広告媒体として使われ始めたころから、ユーザー/閲覧者の行動状況を把握するためにログ分析が盛んに行われてきた。現在ではほとんどのECサイトで、来訪者がどのサイトの広告から誘導されてきて、入り口ページのアクセス数がどの程度で、決済ページまでたどり着く数はいくつかを把握している。

 Webと同じくITシステムであるNotesにもログ活用モデルを当てはめることができそうである。しかし、NotesにはWebアクセスログ解析に相当する機能はない。

 標準機能で取得できるログは、もともとサーバの安定運用の達成を目的としたものであり、DB単位の大ざっぱなアクセス状況の把握しか行うことができず、ユーザーの行動、文書の利用状況に関する詳細で正確なデータ取得は、用途が異なるため望むべくもない。

 現在、筆者が所属しているリアルコムでは、情報共有基盤戦略策定コンサルティングの実施時にも使用する、Notesの「文書・ユーザ単位」に詳細なアクセスログを収集するツールを製品として提供しており、その評価版をWebサイトから無償でダウンロードできるようにしている。読者がNotes管理者であれば制限事項を参照したうえで実際にインストールして試してみるもよいし、作業が面倒な場合、記事の進行に沿って、自社の状況を思い浮かべながら、仮説を立てていかれるのもよいであろう。

 次回以降、実際のNotes分析コンサルティングから得られた知見を基に、リスクの「見える化」、利用状況の「見える化」、投資対効果の「見える化」のアプローチを紹介していく。

筆者プロフィール

砂金 信一郎(いさご しんいちろう)

リアルコム株式会社

コアテクノロジグループ プロダクトマネージャー

shinichiro_isago@realcom.co.jp / shin@isago.com

東京工業大学工学部卒業後、日本オラクルにおいて、ERPから情報系ポータルまで、技術コンサルティングからマーケティングまで幅広い立場で経験。ナレッジマネジメントソリューション責任者も務める。その後、ドイツ系の戦略コンサルティングファームであるローランド・ベルガーにて、国内自動車メーカーを中心にオペレーション戦略立案プロジェクトに従事。現在は、リアルコム株式会社にて、自らも情報共有基盤戦略やNotes移行プロジェクトにかかわりながら、Notes関連製品のプロダクトマネージャーを務める。


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