UISSを活用して情報システムの位置付けを検討する情シス部のリバイバルプラン(2)(2/2 ページ)

» 2006年07月27日 12時00分 公開
[井上実,グローバルナレッジネットワーク(株)]
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情報システムの業務機能を、機能・役割定義を活用して検討する

 タスクフレームを活用して、自社における情報システムの位置付けを定義したら、情報システムに関する業務機能とはどのようなものかを機能・役割定義を活用して検討する。

 一般的に、機能・役割を定義するにはファンクション分析が必要となる。機能・役割の見落としを避け網羅性を向上させるために、トップダウンで階層的に分析を行う。分析には、ファンクションツリーやDMM(Diamond Mandala Matrix)などが活用される(図表3参照)。しかし、ファンクション分析は、多くの労力を必要とするものであり、一般企業ではなかなか実施しにくい。

ALT (図3)DMMを利用したファンクション分析

 UISSの機能・役割定義の中の業務の大項目・中項目・小項目(図表4参照)は、タスクフレームワークに基づき、ファンクション分析した結果と見ることができる。

ALT (図4)UISS機能・役割定義(IS戦略策定)

 これを活用し、タスクフレームワークで定義した自社の情報システムの位置付けに基づき、機能・役割定義をテンプレートとして業務機能を定義することで、容易に効率的にファンクション分析を行うことができる。

 UISSの機能・役割定義の中から、自社の情報システムの位置付けで定義した部分のみを、業務の大項目から抽出する。そして、中項目、小項目の内容を確認し、自社の情報システムに関する業務機能として、ふさわしいかどうか検討し定義していく。自社にふさわしくない部分は削除し、不足する部分があれば追加する。

 ここで定義した機能・役割が、自社の情報システムに関する全業務機能となる。

 次は、この業務機能を自社情報システム部とアウトソーサーとの間で、どう役割分担すべきかを考えなければならない。次回はこの課題を検討してみる。

筆者プロフィール

井上 実(いのうえ みのる)

横浜市立大学文理学部理科卒。多摩大学大学院経営情報学研究科修士課程修了。グローバルナレッジネットワーク(株)勤務。人材ポートフォリオ構築、人材開発戦略立案、キャリアパス構築などに関するコンサルティングを担当。中小企業診断士、システムアナリスト、ITコーディネータ。

第4回清水晶記念マーケティング論文賞入賞。平成10年度中小企業経営診断シンポジウム中小企業診断協会賞受賞。

著書:「システムアナリスト合格対策(共著)」(経林書房)、「システムアナリスト過去問題&分析(共著)」(経林書房)、「情報処理技術者用語辞典(共著)」(日経BP社)、「ITソリューション ?戦略的情報化に向けて?(共著)」(同友館)。


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