5分で絶対に分かるSOA5分で絶対に分かる(5/7 ページ)

» 2007年09月10日 12時00分 公開
[吉村哲樹@IT]

4分 − システムは「サービス」の集合体

 SOAとはこのように、システム全体を汎用的な部品に分割し、それらの部品を必要に応じて自由に組み合わせることにより、柔軟にシステムを構築する仕組みのことをいいます。

 システムに変更を加えるのも容易になりますし、同じ機能をあちらこちらのシステムに重複して実装するような無駄もなくなります。ビジネスの変化に迅速に対応し、無駄なシステム投資を減らすことによって、より直接的にビジネスに寄与するシステムの実現を目指すのがSOAなのです。

 こうした汎用的な部品のことを、SOAでは「サービス」と呼びます。SOAとはそもそも“Service Oriented Architecture”の略称であり、日本語では「サービス指向アーキテクチャ」と訳されます。その名のとおり、「サービス」を基に情報システムを構築しましょう、という考え方なのです。

 サービスは、ただ無作為にシステムを分割したものではありません。システム全体を「ビジネスの機能ごとに」分割した単位です。ここが重要なポイントです。

 ITの諸条件に煩わされずに、ビジネスの観点からビジネス機能の単位で、システムを分割して実装・配置します。そして、このようなアプローチは、疎結合の考え方を採用することによりシステムを部品化する際の自由度が飛躍的に向上して、初めて可能になったのです。旧来のように、業務ごとに必要なビジネス機能をかき集めて、単一のシステムに密結合でまとめて実装していたやり方とは、大きく異なるアプローチです。

 このようなアプローチの最大の強みは、システムの構築や拡張を、ビジネスの観点から行えるところにあります。インフラ、プラットフォーム、開発技術といったITの諸条件に制限されることなく、よりビジネス中心の観点でシステムを考える。ビジネスをITの縛りから解放して、よりビジネスに即したシステムを実現する。SOAが最終的に目指すのは、そのような世界なのです。

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