業務フローチャート上で時間を可視化する新発想の業務フローチャート作成術(4)(2/3 ページ)

» 2007年09月26日 12時00分 公開

時間を盛り込んだチャートを実際に描く

では、実際に描いてみようと思うのだが、ここで、前回までの復習をざっとしておこう。第3回までで、新発想の業務フローチャートの記載ルールを以下のように定義した。

要素
分類
ルール
誰が 絶対的記載事項 スイムレーンにより定義
どうする 絶対的記載事項

専用のスイムレーンに枠としてプロットし、枠内にその内容を体言止めで簡潔に記載
「何を」のスイムレーンに、情報を加工する動作を体言止で簡潔に記載

何を 絶対的記載事項 スイムレーンにより定義

 上記の記載ルールに基づく業務フローチャートは、次のようになる。

図4 新発想の業務フローチャート(「誰が」「何を」「どうする」の3要素による構成)

 ここで、3つの要素から表記された業務フローチャートに、「時間」という4つ目の要素を加える。第2回・第3回で使った例に、次のように具体的な時間を加えて考えてみよう。

 前回に利用した具体的な例で考えていこう。例は商社における受発注の一部分である。受発注の業務内容を各担当者にヒアリングした結果が以下である。

1. 岡田:
私がお客さまからの注文書を受け取っています。注文書は随時ファックスで送信されてきます。ファックスを受け取ると私は、注文書に日付印を押して、その後、すぐに金井さんのIN-BOXに保管します。IN-BOXには必ず当日中に入れるようにと金井さんからは指示されています。

2. 金井:
注文書に関して私のやる仕事は、まず形式的な不備をチェックして、問題がなければ注文内容を社内システムに入力します。次に、その顧客の与信残高一覧を社内システムから印字して、注文書にセットし、各営業担当者に渡します。ここまでの作業を、注文書の到着から2営業日以内に行う必要があります。

3. 松岡:
私たち営業担当者は注文書を受け取ると、個社別のクレジットファイルを棚から取り出してきます。新規の注文により発生する売掛金が、すでに稟議(りんぎ)済みの与信枠の範囲に収まることと、注文内容や仕様が稟議済みであることも確認します。問題がなければ、注文書に捺印(なついん)をして、金井さんに戻します。その後、金井さんは課長の決裁に書類を回すのですが、それが毎週金曜日なので、営業担当者は、遅くても木曜日中に戻すようにいわれています。

 上記の例を業務フローチャートにすると、以下のようになる。いかがだろうか。

図5 時間の要素を加えた新発想の業務フローチャート

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