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» 2008年03月27日 12時00分 公開

情シス部門の地位向上(4):仕様はどうして決まらないのか? (1/3)

ドキュメントがどうとか、開発プロセスがどうとか、インフラやアーキテクチャがどうとかという点は、われわれサイドには大変重要な課題ですが、<正しい>ユーザーからすれば本質的な要求ではありません。(本文より)

[營田(つくた)茂生,@IT]

情シス部門の業務力

 今回は、IT化対象の業務要件・仕様を決めるために必要な「業務への理解力」=「業務力」について述べます。

 まず、業務要件とは何かについて整理しましょう。ある業務を行うには理由があります。その理由を外的要因・内的要因の2つに分けて考えます。

ALT 図1 業務要件とは何か

 図1に示すように、外的要因では法令や制度、監督官庁の指導など、決められた範囲内で業務仕様を決めなければいけない部分があります。例えば、規制業種の場合は○○業法という形で法律として規定されているので、その規定に沿って業務を進め、エビデンス(証拠)を残すという形になります。

 どんな企業でも、なんらかの購買活動を行い、なんらかの販売を行うサプライチェーンの1つを担っています。このとき他社との接点が生じます。サプライチェーンとの接点には、他社との調整が可能な部分があります。

 内的な要因として、バリューチェーンが指摘できます。社内の処理はバリューチェーンという形で各部門・部署がそれぞれの役割を担います。図2にバリューチェーンとサプライチェーンの関係を示します。

ALT 図2 バリューチェーンとサプライチェーンの関係

 バリューチェーン・モデルでは、企業の活動を「購買物流」「製造オペレーション」「出荷物流」「マーケティングと販売」「サービス」の5つの『主活動』に分けます。さらに、これらの活動をサポートする「調達活動」「技術開発」「人的資源管理」「全般管理(財務、法務、情報サービスなど)」を、4つの『支援活動』として区分しています。

 バリューチェーン・モデルのとおり、企業組織の中には、バリュー(=価値)を生み出すための価値活動(加工)を持つ複数の部門/部署が存在します。これらの部門/部署はそれぞれの価値活動の専門家であって、ITスキルに期待できない場合が多くあります。エンドユーザー部門/オーナー部門でのITスキルは、IT/ITシステムを「道具として利用できさえすればよい」ということを念頭に置いておくべきです。

 一方、情シス部門/情シス子会社はどうでしょうか? その業務について、理解できているでしょうか? イコールパートナーとして各エンドユーザー部門/オーナー部門に認めてもらうには、業務仕様策定に当たってリードし、業務についての理解力向上=業務力向上を図るべきです。

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