BABOKガイドバージョン2.0は、IIBAのWebサイトから入手することができます。日本語訳はまだリリースされていないため、英語版のみ入手可能です。
IIBAの会員であればBABOKガイドバージョン2.0のPDFファイルを無料で入手できますが、会員以外でも29.95米ドルで購入が可能です。少し分かりづらいかもしれませんが、上記ページの「Non-members:」の文章中に、購入ページへのリンクがあります。
また、製本されたBABOKガイドバージョン2.0については、Amazon.co.jpで購入することもできます。
それでは、いよいよBABOKバージョン2.0の概要を見ていきましょう。
BABOKバージョン2.0を構成する主な要素には、KA(Knowledge Area:知識領域)、タスク(Task)、技法(Technique)の3つがあります。
KA(Knowledge Area:知識領域)とは、関連する情報や活動をまとめたカテゴリを指します。BABOKバージョン2.0は7つのKAによって構成されていて、それぞれのKAにはビジネスアナリシスを実行するうえで重要なテーマや目的があります。
7つのKAのうち「基礎コンピテンシ(Underlying Competencies)」だけは特殊なKAで、ビジネスアナリスト(ビジネスアナリシスを実践する人)に求められるスキルや能力がまとめられています。それ以外の6つのKAでは、ビジネスアナリストが実施すべきタスクがまとめられています。
タスク(Task)とは、そのKAの目的を達成するためにビジネスアナリストが実践すべき活動を指します。つまり、タスクはKAを構成する主要な要素だといえます。
タスクの説明には、そのタスクを実施する目的、実施内容の説明、タスクへの入力となる成果物や情報、出力成果物、そのタスク特有の事項、そのタスクの実施にあたって関係する利害関係者などが記述されています。
BABOKバージョン2.0は、ある特定の具体的なプロセスを記述したものではないため、KAに含まれるタスクを記述されている順番で実施しなければならないわけではありません。ビジネスアナリストは自ら判断して、これらのタスクを適切なタイミングで実施する必要があります。
技法(Technique)とは、タスクを実行して成果物を作成する際に、ビジネスアナリストが利用できる具体的な実行方法・手法の例を指します。
ビジネスアナリストは、ここで記述されている技法を必ず使わなければならないわけではありません。しかし、世界中のビジネスアナリストが実践し、その有用性が広く知られている手法が紹介されているため、自らがビジネスアナリシスを行う際にもきっと参考になるはずです。
前述したとおり、BABOKバージョン2.0は7つのKAから構成されています。
KA(Knowledge Area) | 章 |
---|---|
ビジネスアナリシスの計画とモニタリング(Business Analysis Planning & Monitoring) | 2 |
引き出し(Elicitation) | 3 |
要求のマネジメントとコミュニケーション(Requirements Management & Communication) | 4 |
エンタープライズアナリシス(Enterprise Analysis) | 5 |
要求アナリシス(Requirements Analysis) | 6 |
ソリューションのアセスメントと妥当性確認(Solution Assessment & Validation) | 7 |
基礎コンピテンシ(Underlying Competencies) | 8 |
表1:BABOKバージョン2.0を構成するKA |
BABOKガイドバージョン2.0では、第1章は全体的な紹介と導入(Introduction)にあてられており、第2章〜第8章でそれぞれのKAを説明しています。第9章では技法がまとめて紹介されており、KAの説明から関連する技法の説明へと参照が貼られています。
BABOKガイドバージョン2.0による公式な分類ではありませんが、これら7つのKAを大きく4つに分類してとらえると、把握しやすいでしょう。
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