
毎月の請求書作成、手作業での送付、入金確認……その大変な業務、いつまで続けますか? 手作業による入力ミスや送付漏れ、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応など、請求業務の悩みは尽きません。実はこれらの課題は「クラウド請求書システム」を導入するだけで、その多くが解決するかもしれません。
クラウド請求書システムは、請求書の作成から発行、さらには入金消込や会計ソフト連携までを自動化し、経理部門の生産性を劇的に改善させる機能を備えるサービス/ツールです。テレワークの推進や法改正へのスムーズな対応も可能にし、まさに現代のビジネスに必須のツールと言えるでしょう。
この記事では、数あるクラウド請求書システムの中で「これまでと何が違うのか」「自社に合うのはどれか」という課題とともに、機能や料金、選び方のポイントを徹底的に解説。業種別に選定できるおすすめ製品28選(2025年11月時点)も併せてご紹介します。貴社の業務効率化に向けた第一歩を踏み出しましょう。
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目次
その請求書業務、非効率かも? よくある課題とは
多くの企業が請求書業務で非効率な手間を抱えています。ここでは、クラウド請求書システムの導入を検討するきっかけとなる、3つの典型的な課題を見ていきましょう。ご自身の状況と照らし合わせてみてください。
- 手作業によるミスと形骸化したダブルチェック
- 紙文化による出社必須の請求書発行・郵送作業
- 複雑化するインボイス制度・電子帳簿保存法への対応
課題1:手作業によるミスと形骸化したダブルチェック
請求書の作成は、Excelテンプレートへの手入力や、販売管理システムからのデータ転記など、手作業が多く発生しがちな業務です。そのため、金額の入力ミスや請求先の選択ミスといったヒューマンエラーが起こりやすく、その防止策としてダブルチェック、トリプルチェックが常態化しているケースも少なくありません。
しかし、担当者の負担が増えるばかりで、根本的な課題解決には至っていないのが実情です。
課題2:紙文化による出社必須の請求書発行・郵送作業
「請求書を発行するために出社する」という話は、いまだに多くの企業で聞かれます。作成した請求書を印刷し、三つ折りにして封筒に入れ、宛名を書いて切手を貼り、郵便局やポストに投函する…この一連の作業は、担当者を時間的にも場所的にも拘束し、ペーパーレス化や多様な働き方の実現を妨げる大きな要因となっています。
取引先から郵送を希望されるケースも多く、なかなか紙文化から脱却できないという課題を抱えています。
課題3:複雑化するインボイス制度・電子帳簿保存法への対応
2023年10月に開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)や、改正が続く電子帳簿保存法への対応は、経理担当者の大きな負担になっているケースが少なくありません。
適格請求書発行事業者の登録番号の記載や、税率ごとの消費税額の計算、電子取引で受領した請求書のデータ保存要件など、法令に準拠した業務フローの構築と運用は、専門知識と手間が必要です。これらの法改正に手作業だけで対応し続けるのは、現実的ではありません。
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クラウド請求書システムとは? 基本を1分で理解
前述の課題を解決するのがクラウド請求書システムです。ここでは、システムの基本的な仕組みと、オンプレミス型など他のシステムとの違いを分かりやすく解説します。
請求書の作成・発行・管理をクラウドで一元化する仕組み
クラウド請求書システムとは、インターネット経由で利用する請求書管理ツールです。請求書の作成から、取引先へのメール送信・PDFダウンロードURL発行や郵送代行、さらには発行後の入金管理や売掛金の回収状況のステータス管理まで、請求に関するあらゆる業務をオンライン上で一元管理できます。
データはクラウド上に安全に保管されるため、いつでもどこでも最新の情報にアクセスでき、経理業務のDXを実現します。
オンプレミス型・パッケージ型との違いは?
請求書管理システムには、クラウド型の他に、自社サーバにシステムを構築する「オンプレミス型」や、PCにソフトウェアをインストールする「パッケージ型」があります。
| 種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
| クラウド型 | インターネット経由で利用 | ・初期費用が安い
・すぐに利用開始できる ・法改正に自動対応 ・場所を選ばず利用可能 |
・カスタマイズの自由度が低い
・月額費用が発生 |
| オンプレミス型 | 自社サーバーに構築 | ・カスタマイズ性が高い
・強固なセキュリティを構築可能 |
・高額な初期費用と維持コスト
・導入に時間がかかる |
| パッケージ型 | PCにインストール | ・比較的安価に導入可能
・オフラインでも利用できる |
・インストールしたPCでしか使えない
・複数人での共有に不向き |
現在では、導入の手軽さやコスト面、法改正への迅速な対応力から、クラウド型が主流となっています。
請求書発行システムの主な機能
請求書発行システムには主に以下の効率化機能が搭載されています。機能別にじっくりと解説します。
- 請求書の作成機能
- 請求額の取り込み機能
- 請求書の発送代行機能
- 請求書の保管機能
- 請求書進ちょく管理機能
- 他システムとの連携機能
- 請求後の入金管理機能
請求書の作成機能
請求書発行システムの基本機能として、事前に登録された取引先や発行者の情報などを使用し、請求書を発行します。毎月入力する項目は、納品項目と金額のような、取引内容に関する情報に限定できるため、請求書発行にかかる工数の削減が可能です。
発行された請求書はPDF形式で出力できるほか、納品書作成にも対応しています。
請求額の取り込み機能
請求書に記載する金額や項目は、会計ソフトやSFAなど、連携する他のツールから取り込みが可能です。
請求書の発送代行機能
取引先の要求に応じた形式での請求書を代行送付する機能です。PDF形式のファイルをメールで送るだけでなく、郵送やFAXといった形式での送付も行えます。
請求書の保管機能
法人・消費税課税事業者・取引に関して作成または受領した請求書は原則7年間の保管義務があります。請求書発行システムはシステム上で発行した請求書を自動的に保管するとともに、文書別に法の定める期間に沿った保管体制を適切に整えます。法律上の保管義務に違反する心配、それに対応するための工数を長期的に軽減できます。
進ちょく管理機能
請求書発行システムの中には、システムを通じて送信した請求書の開封状況を確認できるものがあります。未開封の相手にはリマインドの送信も可能ですので、先方の請求書の処理漏れを防止できます。
他システムとの連携機能
請求書発行システムは、他システムとの連携も可能です。会計システムやSFAなど、外部のシステムと請求書発行システムが連携できると、請求額の転記漏れや請求書の発行漏れといったミスを防止できます。
請求後の入金管理機能
請求書発行システムは、システムを通じて発行した請求書の入金管理にも対応するものがあります。無事に入金された後の入金消込作業の自動化や、期日までに入金されない場合の督促もシステムにより自動化できるため、経理担当者の負担を大きく削減することができます。
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請求書発行だけでなく「受領」も効率化できる
多くのクラウド請求書システムは、請求書の「発行」だけでなく、取引先から受け取る請求書の「受領」業務を効率化する機能も統合、あるいは別製品(請求書受領システムなど)か機能追加オプションを用意しています。
紙で届いた請求書もシステムのAI OCR機能でデータ化し、仕訳や支払処理を自動化することで、請求業務全体の生産性を飛躍的に向上させることが可能です。
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クラウド請求書システムの導入メリット6選
クラウド請求書システムを導入すると、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。ここでは、業務効率化にとどまらない6つの主要なメリットを、実務シーンを交えながらご紹介します。
- 請求業務の多くを自動化し、作業工数を大幅に削減できる
- 人為的ミスや請求漏れをなくし、経理の信頼性を向上させる
- ペーパーレス化で印刷・郵送コストをゼロにする
- 場所を選ばない働き方(テレワーク)を実現する
- 会計システム連携で月次決算を早期化する
- 法改正にも自動アップデートで手間なく対応できる
メリット1:請求業務の多くを自動化し、作業工数を大幅に削減できる
毎月発生する請求書作成・発行業務の多くを自動化できます。一度テンプレートを設定すれば、あとは顧客データや販売データをCSVファイルでアップロードするだけで、大量の請求書をワンクリックで一括作成・送信できます。印刷、封入、発送といった手作業から解放され、担当者はよりコアな業務に集中する時間を確保できます。
メリット2:人為的ミスや請求漏れをなくし、経理の信頼性を向上させる
手入力作業がなくなることで、金額の誤入力や宛先間違いといったヒューマンエラーの発生源を根本から対策します。また、システムが発行履歴や入金ステータスを管理してくれるため、「請求し忘れた」「入金されたか分からない」といった事態を防ぎます。正確な請求業務は、取引先からの信頼維持にも繋がります。
メリット3:ペーパーレス化で印刷・郵送コストをゼロにする
請求書を電子化し、メールやWeb経由で送付することで、これまでかかっていた紙代、印刷代、封筒代、郵便料金、文書保管のため設備といったコストを大きく削減できます。請求書の発行件数が多い企業ほど、そのコスト削減効果は大きくなります。
メリット4:場所を選ばない働き方(テレワーク)を実現する
インターネット環境さえあれば、オフィスにいなくても請求書の作成から発行、管理まで全ての業務が完結します。これにより、経理担当者のテレワークやリモートワークが可能になり、多様な働き方を支援します。災害時などの事業継続計画(BCP)対策としても有効です。
メリット5:会計システムなど他システムとの連携で月次決算を早期化する
多くのクラウド請求書システムは、主要な会計ソフトとのAPI連携機能を備えています。請求書を発行すると同時に、売上データや仕訳データが会計ソフトに自動で取り込まれるため、転記作業の手間やミスがなくなります。これにより、月次決算の締め作業を大幅に短縮し、経営状況の迅速な可視化に貢献します。
メリット6:法改正にも自動アップデートで手間なく対応できる
インボイス制度や電子帳簿保存法など、頻繁に行われる法改正に対して、システム側が自動でアップデートして対応してくれます。ユーザーは常に最新の法令要件を満たした状態でシステムを利用できるため、自社で法改正の情報をキャッチアップし、業務フローを変更するといった負担から解放され、安心して本来の業務に集中できます。
【失敗しない】クラウド請求書システムの選び方と比較ポイント5つ
自社に最適なシステムを選ぶには、押さえるべきポイントがあります。ここでは、導入後に後悔しないための5つの選定基準を具体的に解説します。
ポイント1:自社の業務範囲と規模に機能が見合っているか
まず、自社がシステムで解決したい課題は何かを明確にしましょう。「請求書発行だけ効率化したい」のか、「見積書や納品書、領収書など他の帳票も扱いたい」のか、「受領した請求書の処理も自動化したい」のかによって、必要な機能は異なります。 また、従業員数や毎月の請求書発行枚数といった事業規模も重要な選定基準です。小規模事業者であればシンプルな機能の低価格プランで十分な場合もありますが、企業規模が大きくなれば、承認ワークフローや権限設定機能などが必須になります。
ポイント2:インボイス制度・電子帳簿保存法に完全対応しているか
2025年現在、これは必須のチェック項目です。インボイス制度に関しては、適格請求書発行事業者の登録番号の記載はもちろん、税率ごとの消費税額の正確な計算ができるかを確認しましょう。 電子帳簿保存法については、電子取引データの保存要件を満たしていることが重要です。タイムスタンプ機能や検索機能の有無、そしてJIIMA(日本文書情報マネジメント協会)の認証を取得している製品であれば、より安心して利用できます。
ポイント3:既存の会計・販売管理システムと連携できるか
現在利用している会計ソフトや販売管理システム、SFA/CRMなどとスムーズにデータ連携できるかは、業務効率化の観点から非常に重要です。API連携に対応しているシステムであれば、ボタン一つでデータを自動反映でき、転記の手間を大幅に削減できます。 連携可能なシステムの種類や連携方法(APIかCSVかなど)を事前に必ず確認しましょう。
ポイント4:取引先に合わせた柔軟な発行(Web・郵送)が可能か
自社がペーパーレス化を進めても、取引先によっては依然として紙の請求書を希望するケースがあります。そのため、Web発行(メール添付やダウンロード形式)だけでなく、郵送代行サービスに対応しているシステムを選ぶと安心です。 ワンクリックで郵送依頼ができるか、郵送にかかる料金はいくらか、といった点も比較検討のポイントになります。
ポイント5:料金体系は明確か?無料プランやトライアルの有無
クラウド請求書システムの料金体系は、主に「月額基本料金+従量課金」で構成されています。月額料金で利用できるユーザー数や請求書の発行枚数、機能制限などをしっかり確認しましょう。 多くのサービスで無料プランや無料トライアル期間が用意されています。いきなり有料プランを契約するのではなく、まずは無料で操作感や機能を試し、自社の業務にフィットするかどうかを見極めることを強くおすすめします。
選定に迷うならばこちらも参考に!【2025年5月版】「請求書発行システム」ユーザー満足度ランキング TOP10|口コミ評価もチェック
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