
製造業の営業シーンは、仕様確認や技術検討、見積、試作などの専門的な工程が多く、関係部門も増えやすいのが特徴です。営業支援ツールをうまく使うと、顧客対応のスピードを上げつつ、情報の抜け漏れや手戻りを減らせます。この記事では、製造業の営業支援で起きやすい課題と進め方、SFA/CRMの選び方を整理し、検討しやすいようにおすすめ製品も紹介します。
【この記事のポイント】
- 営業支援は「顧客情報の一元化」だけでなく、技術確認や見積承認などの停滞を減らし、案件を前に進める仕組みづくりが重要です。
- ツール導入の前に営業プロセスを分解し、KPIを置くと、定着しやすくなります。
- SFA/CRMは単体でも効果が見込めますが、生産管理やMAなどと連携できると、納期回答や提案スピードの改善につながります。
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目次
製造業の営業支援とは
製造業の営業支援とは、企業が持つ技術力や開発力を最大限に活かすために、営業活動をサポートする仕組みや体制を整えることを指します。製造業では、高品質な製品や技術を持つだけでは顧客のニーズを満たせない場合があり、それを効率的に提案・販売するための環境づくりが欠かせません。営業支援は、これを実現するために、営業部門だけでなく、製造部門やマーケティング部門との連携を強化し、情報の共有や業務フローの見える化を推進する役割を果たします。
製造業の営業活動では、顧客ごとに異なる仕様や納期の調整など複雑な取引内容を効率よく管理する必要があります。営業支援を通じて、これらの課題を解決し、受注までの流れをスムーズに進めることが重要です。
製造業の営業プロセス例
製造業の商談は、問い合わせ直後に受注が決まるとは限らず、複数工程を経て長期化しやすい傾向があります。営業支援を考えるときは、まず案件ステージを自社の実態に合わせて定義しておくと運用しやすくなります。例えば、以下のように区切るイメージです。
- 問い合わせ
- 仕様確認
- 概算見積
- 正式見積
- 試作
- 評価
- 量産
- 保守/アフター対応
試作や品質確認、ラインテストなど、製造業ならではの関門を「見える化の対象」に含めると、案件がどこで止まっているかが分かりやすくなります。
製造業における営業支援の課題
製造業における営業活動では、優れた製品を持っていても、それを効率的に顧客に届けるための仕組みが整っていないと、売上の向上や顧客満足の向上が難しくなります。多くの製造業者は、独自のノウハウや技術力に重点を置いており、営業活動に関しては手探りで行っていることが多いです。ここでは、製造業の営業支援における代表的な課題について解説します。
技術確認や仕様調整で商談が停滞しやすい
製造業では、顧客から「この仕様で製造できるか」「納期はどれくらいか」と聞かれても、営業だけでは判断できず、技術部門や工場への確認が必要になる場面が多くあります。確認がメールや電話中心だと、誰が何を対応しているかが見えにくく、回答待ちで商談が止まったり、認識違いで手戻りが起きたりします。結果として、顧客の信頼を落としてしまう可能性もあります。
部門間の壁で情報がつながらない
営業、設計、製造、業務といった部門ごとに、管理する情報や使うシステムが分かれていると、必要な情報にたどり着くまで時間がかかります。例えば「最新の図面がどれか分からない」「納期変更が営業に伝わっていない」といった状況です。情報が分断されるほど、社内確認の回数が増え、顧客への回答スピードも落ちやすくなります。
属人化による機会損失が起きる
製造業では、過去の類似案件の仕様、不具合対応の履歴、特殊な商流など、共有したいナレッジが多くなりがちです。それがベテラン担当者の手帳や個人フォルダに残ったままだと、担当変更のたびに対応品質がぶれたり、引き継ぎに時間がかかったりします。結果として、提案の遅れや対応漏れが起きるリスクが高まります。
製造業の営業支援を行う方法
製造業の営業活動を効率的に進めるためには、さまざまなツールや手法を活用して営業支援を行うことが重要です。特に、顧客情報の管理や営業活動の見える化、効率化を図るためのツールを導入することで、営業部門全体のパフォーマンスを向上させることが期待できます。ここでは、製造業における営業支援を行う具体的な方法をいくつか紹介します。
進め方5ステップ
製造業で営業支援を定着させるには、「ツールを入れる」より前に段取りを整えるのが現実的です。進め方の一例をまとめます。
1. 現場ヒアリングで「詰まり」を特定する
「技術確認の回答が遅い」「見積作成に時間がかかる」「承認が多い」など、現場のボトルネックを洗い出します。
2. 営業プロセスを分解し、優先順位を決める
全部を一度に変えようとせず、まず改善効果が大きい工程から手を付けます。
3. KPIを置く
「見積回答日数」「案件停滞日数」「成約率」「予測精度」など、計測できる指標を決めます。
4. ツールを選定する
入力負荷が少ないことに加え、生産管理や原価管理など既存システムとの連携も視野に入れます。
5. 定着施策を行う
入力項目のテンプレート化、会議での活用ルール化、自動連携の設定などで、使う理由を作ります。
SFA(営業支援システム)の導入
SFA(Sales Force Automation/営業支援システム)は、営業活動を自動化し、効率化を促進するためのツールです。営業担当者の行動や顧客とのやり取り、取引履歴、商談の進捗状況などを一元的に管理することが可能です。SFAの導入により、各営業担当者の活動内容が集約され、チーム全体の営業状況をリアルタイムで把握できます。これにより、商談の進捗を管理しやすくなり、営業予測の精度が向上します。具体的には、過去のデータに基づいて将来の売上を予測したり、最適な営業タイミングを判断するなど、戦略的な営業活動が可能となります。
CRM(顧客管理システム)の活用
CRM(Customer Relationship Management/顧客管理システム)は、顧客との関係性を管理するためのツールです。顧客の基本情報や購買履歴、問い合わせの内容などを一元的に管理し、顧客との円滑なコミュニケーションをサポートします。CRMを活用することで、顧客ごとに最適な対応ができるようになり、長期的な信頼関係の構築が可能に。さらに、顧客データを基にしたターゲティングやキャンペーンを実施することができるため、リピーターの増加や顧客満足度の向上も期待できます。特に製造業では、一度の取引だけでなく、継続的なフォローやアフターサービスが重要になるため、CRMは重要な役割を果たします。
参考おすすめ記事SFAとCRM、自社はどちらを導入すべきか? 機能と役割の違い、導入シーンを簡単に解説
名刺管理ツールの利用
名刺管理ツールは、営業先で取得した名刺をデジタル化し、データベースとして管理するためのツールです。紙の名刺を手作業で管理するよりも、名刺情報を簡単に検索できるため、効率的な営業活動をサポートします。また、名刺管理ツールを使えば、営業担当者が顧客とどのようなやり取りをしているのかが一目でわかるため、組織全体で情報を共有しやすくなります。
ファイル共有サービスや社内SNSの導入
ファイル共有サービスや社内SNSを導入することで、社内での情報共有が円滑に行えるようになります。特に製造業では、営業部門と他の部門(製造、開発など)との連携が重要です。スケジュールの共有やタスクの進捗確認、ファイルの管理が簡単に行えるため、業務全体の効率が向上します。社内SNSでは、社員同士が気軽にコミュニケーションを取れる環境を作り出し、営業ノウハウや成功事例を共有することで、営業スキルの底上げが期待できるでしょう。
展示会・オンライン展示会への参加
展示会やオンライン展示会は、製造業における重要な営業手段の一つです。これらのイベントでは、顧客と直接対話し、自社の製品や技術をアピールできるため、新規顧客の獲得や商談に繋げるチャンスとなります。また、オンライン展示会では、遠隔地の顧客とも簡単に接点を持てるため、参加のハードルが低く、より多くの顧客にアプローチすることが可能です。展示会は、製品の実物を見てもらえる場としてだけでなく、潜在顧客との関係を築く場としても有効です。
Webマーケティングの活用
Webマーケティングも、製造業における営業支援の一環として重要な役割を担っています。例えば、検索エンジン最適化(SEO)やインターネット広告を活用することで、より多くの潜在顧客にアプローチすることが可能になります。製造業では、ターゲットとなる市場や顧客層が明確であることが多いため、Webマーケティングと相性が良いです。特に、特定の技術や製品を求めている顧客に対して、効率的に情報を提供できるため、見込み顧客の獲得に繋がります。
外部の営業支援サービス(代行)の活用
ツールで内製化を進める方法に加えて、リソースが不足している場合は外部の営業支援サービス(営業代行)を検討する選択肢もあります。例えば「新規開拓のアプローチ数を増やしたい」「新製品のテストマーケティングを短期間で行いたい」といったケースです。依頼する際は、製造業への理解があるか、どこまで(アポイントまでか、商談同席までか)を任せるかを最初に決めておくと進めやすくなります。
おすすめのSFA/CRM製品8選
ここでは、製造業の長期化しやすい商談管理や、部門間連携を考えたときに候補に入れやすいSFA/CRM・営業支援ツールを紹介します。(製品名abcあいうえお順/2025年12月時点) →【並べ替える/機能の有無で探す】
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製造業向けSFA/CRM 比較表
| 製品名 | 主な特徴 | 向いている企業 |
| 戦略箱ADVANCED | 製造業向けテンプレート、部門横断の管理 | 設計や製造の進捗も含めて一貫して見たい企業 |
| DRIVE SFA | 活動履歴の自動化を意識した設計 | 入力負担を減らして定着させたい企業 |
| F-RevoCRM | 柔軟にカスタマイズしやすい | コストを抑えつつ自社業務に合わせたい企業 |
| GENIEE SFA/CRM | 画面や項目を調整しやすい、定着支援 | 使いやすさとカスタマイズ性を重視する企業 |
| ホットプロファイル | 名刺管理と営業支援、MAの組み合わせ | 展示会や名刺交換から案件化を強化したい企業 |
| Mazrica Sales | 直感的操作、レポート、予測支援 | 複雑なBtoB営業を組織的に進めたい企業 |
| Salesforce Sales Cloud | 機能が幅広く拡張性が高い | 大規模運用や連携、統制が必要な企業 |
| 楽Platform | 業務をまとめて管理する考え方 | ツールが乱立し二重入力が多い企業 |
戦略箱ADVANCED
アステック株式会社
製造業向けのテンプレートを備えており、営業案件だけでなく設計や製造側の進捗も含めて見える化しやすい点が特徴です。受注後の段取りまで含めて情報をつなぎたい場合に検討しやすいでしょう。



















