タカラは2004年5月に、光、音、香りなどを利用した安眠グッズ「夢見工房」を発売する。全国の玩具専門店、家電量販店などで販売される予定で、価格は1万4800円。
枕もとに設置し、睡眠中にかすかな音楽をならすなどすることで、夢の内容を「見たいイメージに近づける」(タカラ)というコンセプト。江戸川大学の社会学部人間社会学科、松田英子助教授の協力をえて開発した。
昔から、人は睡眠中の姿勢、環境、身体的刺激によって夢の内容が変化することが知られていた。心理学者フロイトは著書「夢判断」の中で、睡眠中の人間の鼻先を羽毛でくすぐるなどして、夢の内容に変化があったか確認する実験を紹介している。結果は、やはりなんらかの影響が認められた。
それでは、見たい夢に応じて、それを連想させるような環境を構築して眠りにつけば、望みどおりの夢が見られるのでは――という、極めて素人的な発想を、おおまじめに商品化したのが夢見工房だ。具体的には、以下の5つのパターンで睡眠中のユーザーに働きかける。
まず、見たい夢に関連した写真などを、正面のパネルに貼り付ける。寝る直前にこれを見つめることで、イメージを高めるわけだ。よく、枕の下に写真を入れて寝ると、それに関連した夢が見られるという話があるが、これと同じこと。
夢工房には「芳香剤発生機能」もついている。リラクゼーション効果のある香りを発生させれば、快適な夢を見られる可能性が高まる。
BGM機能もある。「恋愛」「勇気」「冒険」などテーマに合わせた音楽を本体に内蔵しており、睡眠導入時、およびレム睡眠中、目が覚めない程度の音量でこれを流す。
ここで、レム睡眠(REM:Rapid Eye Moving)について軽く説明しておこう。人間は睡眠中、およそ90分周期でレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返す。前者は、体は眠っているが脳は起きている状態。後者は、体が起きており、脳が眠っている状態だ。レム睡眠中は眼球がピクピク動くので、この名がついている。
夢を見るのは、レム睡眠を行っている間。従って、夢見工房ではタイマー設定により、「レム睡眠を行っていると思われる時間」にBGMを流すわけだ。本体にはボイスレコーダー機能もついているから、「恋愛の夢が見たい」と吹き込めば、レム睡眠中に耳元で「恋愛の夢が見たい、恋愛の夢が見たい……」とリピートしてくれる。
起床時間になると、音楽と照明で快適な目覚めを演出する。一連の流れにより、オリジナルの夢レシピを作成することができるのだという。
なお、会場では当然ながら、「実際に試した社員は、望む夢を見られたのか」との質問も飛んだ。これに対する回答は「個人差がある」(タカラ)とのことだった。
記者発表の会場では、ほかにタカラとインデックスが共同出資するタカラインデックス ラボが1月末に設立されることも紹介された。同社の第1弾企画として、携帯型の暗記学習機「エムサピエンス」を開発したという。これは暗記問題を連続出題する端末で、ユーザーはボタンを押して正解/不正解を知ることが可能。価格は1万5000円。
学習教材ソフトとして、「受験英単語 vol.1」「日本史」「世界史」「ワイン銘柄」などが用意されており、SDカードを交換すればさまざまな情報の暗記勉強に役立てられる。ソフトは、各4980〜6980円。
同じ問題でも、イラストや音声を交え、さまざまな形式で出題されるため、飽きがこないという。
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