ファイバーオプティクスエキスポ2日目の1月28日、NTT西日本の上野至大社長が基調講演を行った。テーマは、「世界をリードする日本のFTTH。その中でNTT西日本が目指す先は?」というもの。この中で上野氏は、上り/下り1Gbpsの帯域幅を持つGE-PONの導入計画に触れた。
会場レポートでも触れたように、FTTH関連ベンダーは1Gbpsの回線速度を持つGE-PON対応製品に注力している。回線サービスを提供するNTT西日本も例外ではなく、年内にもGE-PONの導入を一部開始する考えだ。
NTT西は現在、600Mbpsの帯域を持つB-PONを最大32分岐で使用しているが(1ユーザーあたりの上限を設定しているため、カタログ上は最大100Mbps)、「次の段階となると、やはり上り/下り1GbpsのGE-PON。今年の夏-秋には開発を完了し、一部で導入を始めることになるだろう」(同氏)。詳細は語らなかったものの、波長多重(WDM)技術の開発が年度末には完了する見通しであることから「それに先駆けて、(GE-PONを)入れていきたい」としている。
また、WDMを用いたFTTHでは、2つの方向性を検討中だという。1つは独立した波長を利用して放送などを提供する、いわゆる“サービス多重”。もう1つは、加入者ごとに波長を割り当て、専用線ライクに利用する方法だ。
後者の場合、物理的には1本の光ファイバーであっても、加入者一人ひとりが独立した波長(=回線)を使えるため、NTT局までは1Gbpsを一人占めできる。実現すれば、SOHOユーザーやヘビーユーザーにとって魅力的な選択肢になるかもしれない。
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