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iPodには真似できない「HDD交換」――マイクロドライブ対応MP3プレーヤー「WithC」(2/2 ページ)

» 2004年03月30日 18時56分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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 バックライト付きの液晶ディスプレイは解像度が132×64ピクセルあり、8文字×4行の漢字表示が行える。操作はトラックポイントのようなスティック状の十字キーで行うのだが、使い勝手はあまりよくない。ゴム部の汚れも心配だ。今回借りたのは試作機でOSやソフトの作り込みが不完全なものであったため、レスポンス/アプリケーションの操作感の評価は控えた。

photo 漢字対応のバックライト付きの液晶ディスプレイ。簡単なイコライザー機能も装備(右)

 実際に使ってみて感じたのは、音質の良さだ。筆者はSN比98dBという高音質も売りのMuVo2を愛用しているのだが、SN比95dBのWithCも音質は非常にクリアで、音の奥行き感や低音再現性ではWithCの方が上回っているように感じた。これはDSPにAVアンプなどで使われる32ビットプロセッサーを採用しているからだろう。

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ヒットのカギはマイクロドライブの低価格化

 メディア交換ができるのが最大の売りであるWithCだが、今、市場ではマイクロドライブ単体で購入するよりも内蔵タイプの方がはるかに安いという困った状況がおきている。

 その最たる例が4Gバイト版MuVo2だ。この製品の内蔵HDDは日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)のマイクロドライブといわれているが、4Gバイトのマイクロドライブを単品で購入した場合、リテール品で7万円前後、バルク品でも4万円前後もする。対するMuVo2の実売は2万8000円前後。ヤフオクで数多く売りに出されている「“空っぽ”になったMuVo2の怪」の真相がここにある。

 WithCでも、1Gバイトマイクロドライブ(リテール品で2万円前後)がセットになった「WCA-110」(実売3万4800円前後)とマイクロドライブなしの「WCA-100」(1万9800円前後)との差額は1万5000円と、それぞれ単品で購入するより5000円安い。だが4Gバイト版MuVo2と比較するとコストパフォーマンスがよいとはいい難い。

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 4Gバイトのマイクロドライブが1万円台で単品購入できるようになれば、メディアを交換できるWithCの魅力がぐっと増してくる。4Gバイト版MuVo2の実売を考えれば、この価格も決して不可能ではないだろう。

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