デジタルコンテンツネットワーク(DCN)と松下電器産業は、地域情報サービスの共同事業として「地元通情報事業」の本格展開を開始、その一環として情報サイト「ニッポン地元通情報 GANSO」をオープンした。
両社が推進している地元通情報事業は、全国37のタウン情報誌が集めた47都道府県の地域情報を一元管理し、Webサイトや情報家電向けなど、コンテンツなどをさまざまな形で活用しようというもの。DCNの代表取締役社長・緒方邦博氏はそのイメージを「全国タウン情報誌の共同体」と語る。
事業は、GANSO DBと名付けられた情報データベースの構築・運用を軸に、地域情報のBtoCおよびBtoBサービスをその中核とする。データベースは、各タウン誌の企画・取材した内容を統一のフォーマットで一元管理し、4月26日時点で約1万件のデータを収録する。
データ件数は今後も増加させる計画だが、「あくまでも厳選した情報を掲載していく」という方針で、各タウン誌の持つ情報をすべて掲載するものではない。
地域情報に関する不満は、「量が多すぎて調べにくい」「信頼できない」「情報が古い」「近所の情報がない」に集約されるとはDCN事業本部長の鈴木正利氏。各地域に密着して活動しているタウン誌編集部の共同体ともいえるこのサービスならば、そのような不満を解消するようなコンテンツを提供できるという。
BtoCサービスとしては、Webサイト「ニッポン地元情報通 GANSO」がオープンした。ご当地のグルメを動画で紹介する「GANSO.TV がんそグルメ王国」や、毎月1つのテーマで各県から5店のおすすめ飲食店を紹介する「じもと通グルメ」などのほか、観光地や温泉、映画・音楽などの公演情報が掲載される。
「GANSO.TV がんそグルメ王国」では500kbpsおよび1Mbpsでの動画配信も行われており、「屋台の組み立て風景(福岡)」「スープカレー(北海道)」などその地域ならではの、食に関する動画を楽しめる。
「各タウン誌でもWebサイトを持つところは多いが、動画は制作に手間のかかるコンテンツで、動画を掲載しているところはそう多くない。(ニッポン地元情報通 GANSOは)動画が最大のポイントです」(鈴木氏)
「ニッポン地元情報通 GANSO」の使用は無料で、事業としてはデータベースに収納されたデータの外部販売や、地域情報コンテンツ/サービス開発・受諾制作などのBtoBサービスが収入の柱になる。また、コンテンツの書籍・DVD化なども計画されている。
また、「GANSO.TV がんそグルメ王国」を除くニッポン地元情報通 GANSOのコンテンツは、デジタルTV向け情報提供サービス「Tナビ」向けにも提供される。
Tナビ対応TVの出荷を予定している松下電器産業は、「2004年は本当の意味で家庭内のデジタル化が進むが、ここで問題となるのが“デジタルデバイド”と“地域コミュニケーション”」(eネット事業本部本部長・木村純氏)と述べ、家庭用TVで地域情報を入手できる今事業への期待を示した。
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