SKY Perfect Communications(スカパー!)の代表取締役社長 重村一氏は、2003年度の決算および2004年度の施策説明会において、東経110度CS放送(スカパー!110)を“攻め”の姿勢で展開することを柱のひとつとして掲げた。
同社は2003年度に加入者が300万人を突破し、黒字化を達成した。しかしながら、従来からサービスを提供している124度/128度放送は加入者の鈍化が見られ、ARPU(加入者一人あたりの月間売上高)も低下傾向を示している。
そうした状況の中、重村氏は既存事業の収益性改善に加え、「110度CS放送の積極的な事業展開」「FTTHによる映像配信(オプティキャスト)の本格スタート」「新規事業開拓」を2004年の重点推進ポイントに挙げた。
110度CS放送強化の具体的な方法しては、一部チャンネルのハイビジョン対応(夏には映画チャンネルが、秋にはさらに3チャンネルがハイビジョン対応となる)、コンテンツ強化(映画・スポーツの強化、自社コンテンツ投入も)、チャンネルパックの見直しなどが行われる予定。店頭および各種媒体での告知なども積極的に行う。
疑問視する声がある収益性についても、124度/128度のARPUが3700円程度、110度のAPRUが3200円程度とのことで、「(124度/128度の)インセンティブを考えると、さほど悪いわけではない」という。
オプティキャストについては、東京23区と大阪の一部区域でスタートしており、4月末時点で29棟(約3500戸)が既に契約している。今後も新築物件を対象に大手ディベロッパーと提携しての普及を目指すとしており、「導入マンションにおける加入率20%を目指す」。(重村氏)
新規事業については、NTTドコモのFOMAを対象としたライブ映像配信サービスの実証実験を6月15日から開始する。これはドコモが提供している「M-stage V ライブ」によって、スカパー!の提供する番組をライブで視聴することができるサービスと、視聴する番組に関連する情報を受け取ることのできる「番組関連情報提供サービス」で構成される。
番組提供社も既に17社が挙げられており、FOMAからJ Sports(スポーツ)やブルームバーグ(ニュース)などを楽しめることになる。実証実験のため、11月30日でサービスは一端終了する予定だが、2005年度中には実用化を目指すとしている。
詳細については未定としながらも、auとも同種のサービスを行う計画があるという。
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