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日立、iPod mini用含む小型HDD増産へ

» 2004年05月17日 16時18分 公開
[IDG Japan]
IDG

 日立は5月17日、タイのプラチンブリ工場でのハードディスクドライブ生産量を2倍に拡大する計画を明らかにした。同社のHitachi Global Storage Technologies(HGST)部門は、この生産量を達成するために、数年にわたり2億ドルを投資する。

 HGSTのマイクロドライブ担当マーケティングディレクター、ジョン・オスターハウト氏によると、パーセンテージで言えば、4Gバイト容量の1インチマイクロドライブが最大の増産になるという。このマイクロドライブは、Apple Computerの「iPod mini」などのデジタル音楽プレーヤーで採用されている。

HGST製マイクロドライブ Hitachi Global Storage Technologies製4Gバイトマイクロドライブ

 「1インチドライブへの需要は非常に高い。この製品は、今はこの工場に占める割合は小さいが、今年の1〜3月期には月産20万台だった生産量を、10〜12月期には四半期当たり数百万台にまで拡大する計画だ。非常に急激に生産量を拡大することになる。その原動力となるのが、小型MP3プレーヤーを製造している顧客からの需要だ」(オスターハウト氏)

 同社は、どの企業、あるいはどの製品が主に需要を牽引しているかについては明かしていないが、AppleとそのiPod miniを指し示す要素はいくつか見られる。

 Appleは米国で2月にiPod miniを249ドルで発売、このとき10万件の予約が入っていた。3月には米国以外でも同製品をリリースする予定だったが、需要に追いつけないため、発売を7月に延期せざるを得なくなったと同社は発表した(3月25日の記事参照

 「iPod miniの供給が限定されているのは、新しい技術を使っているから」だと、Appleのハード製品マーケティング担当副社長グレッグ・ジョズィアック氏は、このときIDGのMacCentralに語っていた。「われわれは製造されている(4Gバイト)1インチハードディスクをほぼすべて使っている」

 AppleはiPod miniの具体的な出荷台数を明らかにしていないが、1〜3月にかけてのiPodとiPod miniの出荷台数は、合計で80万7000台だったとしている。

 Appleのほか、HGSTは1インチマイクロドライブを、シンガポールのCreative Technologyや米Digital Networks North AmericaのRio部門などの企業に提供している。オスターハウト氏は、間もなく供給先の企業は増え、新しい音楽プレーヤーが立ち上げられると予測している。

 「ハードディスクベースのMP3プレーヤーを開発していそうな企業はたくさんある。私はMP3ビジネスに携わる企業20社と話をした。たくさんの数の企業だ。成長分野に解禁の時期が訪れた」(同氏)

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