同社が初めて採用したEPGは、米Gemstarの「G-Guide」だ。基本インタフェースは、縦軸にチャンネルが並ぶ“グリッドスタイル”で、もちろんチャンネル別表示にも対応している。
同じG-Guideでも、松下などが採用する“テレビ欄スタイル”(3チャンネル程度を一度に表示する)とは異なる。「テレビ欄スタイルは新聞に近い形で見やすいが、番組毎の情報量が少なくなりがちだ。また今回の新製品では、操作レスポンスと大きな文字による“見やすさ”を重視してグリッドスタイルを採用した」という。
キーワードやジャンルによって番組を検索する機能も搭載している。各機能はリモコンの“ABCD”ボタンに割り当てられており、ワンタッチで切り替え、十字キーで操作する。事前に登録したキーワードなら、検索結果も十字キーの左右で次々に切りかわる。
EPGだけに、録画予約も「選んでポン」(同社)。予約時に「AUTO」モードを選択しておくと、1枚のDVDに入るモード(ビットレート)を自動的に選択する機能もある。
録画済み番組の再生は「動画ディスクナビ」で行う。番組はサムネイル表示となり、選択した番組だけは音声付き動画になる仕組みだ。パイオニアでは「(新モデルの)一番の改善点は、サムネイルの表示スピード」と自信をみせている。
再生時にステレオ音声部分を判別して自動的にスキップする「オートCMスキップ再生」機能も新しい。従来機種にも、音声の切り替えでチャプターを打つ「オートチャプター」機能があったが、今回はそれを一歩進めた形だ。もちろんダビング時にも有効で、自動的にCM部分を削除しながらダビングする「オートCMカットダビング」機能が付加されている。
「調査によると、DVDレコーダー利用者の約7割が“地上波放送の映画を録画し、CMをカットしてDVDにダビング”といった使い方をしている。この機能は、ユーザーのニーズを汲んだものだ」(同社)
リモコンにはボタン1つで30秒、60秒、90秒……とスキップする「CMスキップ」、行き過ぎてしまったときには5秒、15秒、30秒と戻る「CMバック」ボタンも付いた。また、再生時には1.5倍速の音声付き「早見再生」も利用できる。
今回の新製品は、いずれも“オリンピック特需”を狙った普及価格帯の製品だ。このため、GRTやBSチューナー、またパイオニア独自の高画質チップ「VQE」などはコスト削減のために省略され、そうした機能を求めるヘビーユーザーに対しては、継続モデルの「DVR-710H-S」を提供するというスタンスだ。一般ユーザーへの浸透を追い風に、国内380万台と予測される2004年のDVDレコーダー市場で、2割のシェア維持を狙う。
「VTRは、1998年に年間700万台というピークを迎えたが、2003年には金額ベースでDVDレコーダーが逆転した。今年は、台数ベースでも逆転が予想される。いよいよDVDレコーダーが録画機の主役に躍り出る年になったと考えている」(同社)。
EPGの採用による操作性、そして昨年から引き続き“××倍速”という分かりやすいキャッチフレーズにより、VHSからの移行ユーザーを取り込みたいパイオニア。なお、TVCMでは幅広い年齢層に人気がある「男はつらいよ」シリーズの「寅さん」を起用し、簡単操作をアピールするとともに、親しみやすさを演出するという。
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