Apple Computerは6月15日、オンライン音楽ストア「iTunes Music Store」の欧州版の立ち上げを発表する見通しだ。しかし最後に笑うのは、Microsoftと緊密な協力関係にあるライバルのNapsterかもしれない。
Microsoftは現在、Windows Media Playerの次期バージョン「Windows Media Player 10」のβ版を提供している。このバージョンではスリム化したインタフェースと新機能により、携帯デバイスへの対応強化を図っている。これにより、PCのHDDからMP3プレーヤーへの楽曲転送にかかるコストが大幅に削減される。
Windows Media Player 10には、Windows Mediaデジタル権利管理(DRM)技術の新版が組み込まれる(6月3日の記事参照)。これは従来「Janus」のコードネームで呼ばれていたコピー防止機能で、MicrosoftのWindowsデジタルメディア部門ディレクター、ジョナサン・アッシャー氏によれば、これによって携帯デバイスへの対応が強化される。
このDRM技術は海賊版防止が目的だが、Windows Media DRMをサポートした携帯デバイスでは、楽曲保存の柔軟性が向上するとMicrosoftは説明する。
Napsterなどの会員制音楽サービスではいずれ、この技術に対応した携帯デバイスを使っている加入者向けに、携帯ダウンロードサービスの提供が可能になる。
例えばNapsterが英国で先月立ち上げたサービスでは、加入者は現在、DRMで保護された楽曲を無制限にPCにダウンロードできる。ユーザーが会員でいる限りこれらの楽曲は普通に再生できるが、解約すればファイルの再生はできなくなる。
現行の携帯プレーヤーでは、保護された楽曲のライセンスが有効かどうかをチェックする手段がないため、ユーザーが会員制サービスで入手した楽曲を持ち出すことは認められていない。
今後登場予定の「Portable Media Center」など新しいDRMスキームをサポートした携帯プレーヤーは、ダウンロードされた楽曲のライセンスが有効かどうかをチェックできるセキュアなクロックが内蔵され、この状況は変化する。ライセンスが有効なら楽曲は再生でき、無効なら再生はできない。
これにより、現在のように1曲ごとに99ペンスを支払うのではなく、Napsterの月額料金9.95ポンド(18ドル)さえ支払えば、容量が許す限りの楽曲を携帯プレーヤーに詰め込むことが可能になるはずだ。
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