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RWPPIとRDVDC、記録型DVDの互換試験を完了――今後は5倍速-RAMなども検証

» 2004年06月17日 08時56分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 RWプロダクツプロモーションイニシアティブ(RWPPI)と記録型DVD会議(RDVDC)は、昨年9月より共同で実施していた4倍速DVD-R、2倍速DVD-RW、3倍速DVD-RAMのそれぞれに対応した製品間の互換性試験を終了した。

 この互換性試験は記録可能なDVDに関する主要メーカーの製品(ドライブ・メディア・PC用アプリケーションなど)について、記録・再生の互換性検証が行われたもの。参加企業数は52社、試験項目は総計351項目、試験された製品は133モデルに及ぶ。

photo 「世界最大級の互換性試験」と述べるパイオニア 研究開発本部AV開発センターベリフィケーション開発部 副参事の内海喜洋氏

 DVDに関しての規格策定はDVDフォーラムが行っており、各メーカーはその規格に沿って製品を開発する。理屈から言えば、規格に準拠している以上、その時点で互換性は保証されているはずだが、知っての通り「A社のメディアをB社のドライブで、C社のソフトを使って焼くと安定しない」といった事態が発生することがある。

 RWPPIとRDVDCが検証したところによると、再生に関しては98%、書き込み(2倍速DVD-R/4倍速DVD-RW)に関しては95%以上の互換性を確認できたという。95%というとやや心許ない感もあるが、試験対象製品にはエンジニアリングサンプルなども含まれていたため、「十分な結果」という。

photo 検証に関しては3つのサブワーキンググループ(SWG)が設けられ、メディアそのもの・メディアとドライブ・DVD-RAMのVRモードについての検証が行われた

 3倍速DVD-RAMについては互換性確認が行われたほか、試験方法の確立も完了した。そのため、すでに発表されている5倍速DVD-RAMの製品についても、互換性試験がスムーズに進むことが期待される。

 今回行われた互換性試験は52社の参加となっており、主要な記録型DVD関連のメーカーは網羅されているが、すべての関連メーカーが参加しているわけではない。「アジア系を含めた諸外国へもアプローチし、参加率100%を目指したい」(Samsung Electronics 主席研究員 KIM KWANG氏)、「積極的な宣伝活動を行っているわけではないが、参加メーカーが増えないと話にならない。参加メーカー数を増やすことは今後の重要な課題」(内海氏)

 そうして確認した互換性について、製品へのステッカー張り付けなどによるアピールをすることはあり得るのか? という質問に対しては、「(RWPPIとRDVDCによる試験は)あくまでも製品レベルでの互換性を下支えする趣旨のもの。互換性の明記はメーカーのマターと考えている」(松下電器産業 R&D知的財産権センター 戦略知財グループ 主幹技師 山口博之氏)とのこと。

 記録型DVDの市場は継続して成長すると見られており、民生機器への搭載が進めば、より厳しい互換性が要求される。RWPPIおよびRDVDCでは今後、8倍速DVD-R、4倍速DVD-RW、5倍速DVD-RAMといった高速な規格の互換性試験に着手するほか、民生用DVDレコーダー、カメラ、PCアプリケーションソフトなど、より幅広い製品分野に対しても検証活動を行っていく。

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