ここ数年、腕時計を持ち歩いていない。時間を知るだけなら携帯電話でいいし、何より腕に何かを付けている感触があまり好きではないからだ。しかし、時間にシビアにならざるを得ない日も多く、そんなときに限って携帯電話のバッテリーが切れてしまったりと、不便を感じることもあった。
そこで、再び腕時計の購入を考えたのだが、買うからには単なる腕時計では面白くない(毎度のことながら、こういう発想が製品選択をおかしくさせる)。なにか時計以外の付加価値があれば、毎日持ち歩く気になるかもしれない。そんな不純な同機で物色をはじめ、MP3プレーヤー付きの腕時計に目を付けた。
腕時計型MP3プレーヤーといえば、2000年に発売されたカシオ計算機の「WMP-V1」が有名だが、最近は国内の大手時計メーカーよりも海外メーカーが元気のようだ。候補に挙げたのは、レアモノショップが販売しているMP3 Ultra Disk Watch」と、日本ポラデジタルの「LAKS MEMORY MUSIC」の2つ。今回は、デザイン的に“イロモノ感”の少ないLAKS MEMORY MUSICを借りてみた。
LAKS MEMORY MUSICは、米LAKSが開発したUSBメモリ内蔵の腕時計で、日本でも昨年8月に発売された「LAKS memory-USB 2.0」の後継機。インタフェースがUSB2.0からUSB1.1へとスペックダウンしているが、代わりに音楽再生機能とボイスレコーダー機能を内蔵。ストレージクラスに対応しているから専用ソフトなどがなくても使えるうえ、フルサイズのUSBコネクタを標準装備しているため、アダプタ等を持ち歩く必要がない。オールインワン的なモバイルガジェットである。
しかし、USBのフルサイズコネクタといえば、結構な厚さがあるものだ。それを腕時計に内蔵とは、どうやって? などと疑問を感じながら製品パッケージを開け、そして納得した……でか。
写真ではわかりにくいので、スペックを挙げてみよう。本体時計部の外径は42ミリ、厚さ15ミリ、重量72グラム。一言でいえばアメリカンなサイズだ。厚みもさることながら、文字盤の上下に張り出したイヤホンとUSBの接続部が大きさを感じさる。幅が広いから、装着したときも腕からはみ出した部分に空間ができてしまうのだ。
ふと、10年ほど前に初めて米国のハンバーガーショップに入ったときのことを思い出した。ハンバーガーの大きさが想像を超えていたのはもちろんだが、適当にセットを注文したらポテトが2袋もついてきて驚いた(もちろん、1袋が日本の“Lサイズ”に相当する)。こんな大量のジャンクフードを日常的に食べているのだから、米国人が巨大化するのも道理だと妙に納得したものだ。
実際、WebでLAKS MEMORY MUSICを取り上げた海外メディアの記事を検索しても、“デカイ”と評価しているものは見あたらないから、あちらではこれが標準サイズなのだろう。
さて、前述のUSBコネクタは、リストバンドにへばりついていた。引っ張り出すようにしてリストバンドから外し、そのままパソコンに接続すると、外部メモリとして認識される。ノートPCを日常的に持ち歩く人なら、いつでも音楽ファイルをやり取りできるからありがたい。もちろん、オフィス文書など楽曲ファイル以外のデータも気軽にコピーして持ち運ぶことができる。
対応OSは、Windows 98SE以降(98SEの場合はドライバのインストールが必要)とMac OS 9以降。なお、試用機の内蔵メモリは32Mバイトしかなかったが、製品版は128Mバイト。価格は直販の場合で2万4800円となっている(オープン)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR