ビデオカメラの世界でも“高画素化”の流れが加速している。
一昨日、ソニーが3メガピクセルCCD搭載のデジタルビデオ(DV)カメラ2機種を発表した(7月6日の記事参照)。トップを独走するソニーのシェアを切り崩そうと目論む2位以下集団(松下電器産業/日本ビクター/シャープ/キヤノン)でも、松下が3CCD方式(80万画素×3)で高画素化を図っているほか、キヤノンも6月に2.2メガピクセルCCD搭載2モデルを発表している。
ソニーの3メガピクセル機は、昨年7月に発表された民生用DVカメラ初の331万画素CCD搭載DVカメラ「DCR-PC300K」に続く第2弾となる。DCR-PC300Kの後継となる「DCR-PC350」は手の小さな女性ユーザーにも使いやすいように、容積比で20%ダウンという小型化を実施したほか、シルバーとブラックのカラーバリエーションも用意。また、両手でしっかりホールドして撮影したいというユーザー向けに、DCR-PC350とほぼ同機能ながら横型スタイルの「DCR-HC88」もラインアップした。
2機種の実売予想価格を見ると、横型のDCR-HC88が11万円前後で小型軽量タイプのDCR-PC350でも13万5000円前後。DCR-PC300Kが19万8000円(発売当初の実売は15万円前後)のハイエンド機であったことを考えると、価格面でもより幅広いユーザー向けにアピールしようとしている。縦型&横型のバリエーションや価格設定などをみても、ソニーが3メガピクセル機にかける意気込みが伝わってくる。
ご存知のように、アナログテレビが採用するNTSC方式は水平方向の走査線数が525本で垂直解像度が480本しかない。このような一般的なテレビで視聴することを目的とした現在のビデオカメラは、テープ記録時の画素数も720×480ピクセルと決まっている。撮像素子の有効解像度も29万〜35万画素のVGAクラスがあれば動画撮影には十分で、高解像度CCDなど本来は必要ない。今でも各社のエントリー機はこのあたりの解像度のCCDを使っているケースが多い。
では、なぜ各社はメガピクセルCCDを搭載するのか。もっとも大きな理由が「静止画撮影」だ。
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