アマゾン、イーエスブックス、bk1、楽天ブックス、……大手だけでも両手の指に余るほどあるオンライン書店。「まさに戦国時代。生き残るためにはこの1、2年が勝負」と、bk1を運営するブックワンの河野武専務取締役兼COOは言う。
「オンライン書店の勝負の分かれ目は、初心者層を取り込めるかどうか」(河野専務)。安価なPCやブロードバンド回線が普及し、ネット初心者が爆発的に増えている今、初心者に受け入れられないECサイトの先行きは暗い。
初心者に使ってもらうには「Windows 95時代のニフティ」と同じようにすればいいと河野専務は言う。河野専務はニフティ出身だ。
「Windows 95が発売され、たくさんの人が初めてPCを買った頃、パソコン通信で最も有名だったニフティがISPとしてもユーザーを集めた」(河野専務)。選択眼を持たない初心者は、有名どころを選ぶ傾向があるという。
bk1も、広告を出したり、大手ポータルと提携するなどして初心者への知名度を上げるほか、今年からは“アナログなネット書店”という独自の売りを設定。ネットという“デジタルワールド”初心者への間口を広げる。
オンライン書店というデジタルな世界に、“人”というアナログを媒介させるのが、bk1の作戦だ。
bk1は今年に入って、スタッフによる書評Blog(ブログ)「スタッフレビュー」や、書評ページにトラックバックできる「bk1.jp」など、ブログを活用したコミュニケーション機能を取り入れた。
加えて、読みたい本の内容を文章で質問すれば、ユーザーやスタッフが質問に合った本を紹介してくれる「bk1はてな」もスタート。ユーザーとスタッフや、ユーザー同士のコミュニケーションを活発化し、“人の顔が見える”本屋にするためだ。
また、作家の瀬名秀明氏のコラムや書評、自著の紹介などが読める「瀬名秀明書店」もオープンし、著者とユーザーの距離も縮めようとしている。
今はバラバラで動いているこれらの機能をbk1メインサイトと統合させ、「人と人とがつながる本屋にしたい」(河野専務)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR