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MSN Messengerの次期版にパーソナライズ機能

» 2004年08月03日 09時50分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Microsoftは人気の高い「MSN Messenger」クライアントの新版を2005年半ばまでに投入する計画であり、この新版では、ユーザーはよりカスタマイズされたインスタントメッセージング(IM)体験を作り出せる。同社が先週明らかにした。

 ユーザー体験に加えて、MSN Messengerをもっと収益につなげなくてはならないとMicrosoftは語る。同社はまだ、同ソフトのオンライン広告の機会を真に開拓していないとMSN情報サービス・商業プラットフォーム部門副社長ユースフ・メヘディ氏は先週本社で行われたアナリスト向け説明会で語った。

 Microsoftは最近、MSN部門が2004年度(6月末締め)に1億2100万ドルの営業黒字を出し、初めての通期黒字を達成したと報告した(7月23日の記事参照)。同社は黒字化の理由として、広告収入全般の増加と有料検索の成長を挙げている。同社の予測では、オンライン広告市場は2003年の76億ドル規模から、2008年度には198億ドル規模に成長する見通しという。

 MSN Messengerを収益に結びつけるもう1つの方法は、有料サービスをさらに追加することだ。例えば、Microsoftは最近米国でMSN Messenger向けのゲームサービスを導入、向こう数カ月以内にほかの国でも導入する予定だと広報担当者は話している。ユーザーは月額料金を支払ってゲームを利用し、友達リストに載っているユーザーと対戦できる。

 また同社は韓国、オーストラリア、英国で、有料でドレスアップできるアバターを提供している。例えば、ユーザーは少額の料金でサングラス、ポータブルラジカセ、デザイナーブランドの服、センスのいい髪型などを購入して、アバターをカスタマイズすることが可能だ。Microsoftがこのサービスを導入して以来、韓国だけで数百万件のアバター関連の取引が行われていると同社広報担当者は話す。

 MSN Messengerは最も人気の高いIMソフトの1つで、ユニークユーザーは世界中で公称1億3500万人。同ソフトのユーザーは非常に活発で、1日に約25億件のメッセージをやり取りしていると、MSN Messengerリードプロダクトマネジャー、ブルック・リチャードソン氏。「SMS(ショートメッセージサービス)の全世界のトラフィックを見ると、当社のMessengerのトラフィックはその2倍にもなる」

 MSN Messenger次期版では、ユーザーがメッセージング体験をパーソナライズできるようにすることを目指すとリチャードソン氏。「顧客はMessengerをオンライン世界での自分自身の延長と見なしており、IM体験をパーソナライズしたいと思っている」

 同氏によると、アバターサービスの提供国は今後増える予定で、MicrosoftはほかにもMSN Messengerのスキン作成などのパーソナライズ機能を検討している。スキン(のカスタマイズ)はWindows Media Playerで以前から人気を博している。

 アバターとスキンはMSN Messengerユーザーが求めている機能だと、同ソフトのファンサイト「Mess with MSN Messenger」を運営するピエター・ドム氏は語る。しかしユーザーからは、友達リストへの150人以上の登録、ファイル転送が中断された場合の転送再開、オフラインメッセージング、MSN MessengerをWindows Updateに含めるなど、もっと実用的な面での要求も出ているという。

 リチャードソン氏は、Microsoftはこうした要求をすべて把握しており、検討中だとしている。ただしWindows Updateは例外で、MSN Messengerユーザーは今後も、Windowsのアップデートとは別に同ソフトのアップデートをダウンロードしなくてはならないと同氏。

 「われわれの顧客はWindowsユーザーだけではないし、Windows XPユーザーだけでもない。このため独自のアップデートメカニズムを用意している。それが必要なのだ」(同氏)

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