未来ロボット技術研究センター(fuRo)は8月3日、東京・お台場の日本科学未来館で「ROBOT解体LIVE2004」を開催。ヒューマノイドロボット「morph3」の生みの親であるfuRo所長の古田貴之氏が、実物のmorph3を使って最先端の技術を盛り込んだ2足歩行ロボットの内部構造を紹介した。
文部省の特殊法人「科学技術振興事業団 ERATO北野共生システムプロジェクト」から生まれたmorphは、2003年6月に古田氏らmorph開発チームとともに千葉工業大学内の未来ロボット技術研究センターに移籍。morphシリーズ最新のmorph3は同センターで継続的に研究開発が行われているほか、fuRo生まれのロボット「ハルキゲニア」も登場するなど最先端ロボットの開発が古田氏のもとで着々と進められている。
今回のイベントは夏休み中ということもあり、来場者のほとんどが小学生ぐらいの子供連れ。イベントの内容も子供中心に進められていった。
「皆さん、頑張れば誰でもロボットは作れます。根性と“お金”さえあれば」と、小学生相手にいきなり現実的な話から入った古田氏。morph3の開発費がいくらぐらいかかったかを子供たちに問いかける。
子供:「うーん、10万円ぐらい」
古田氏:「10万かぁー(苦笑)。10万円だったら、ボクだったら10体買うな」
子供:「じゃあ、1万円!」 (場内、大爆笑)
古田氏:「1万円だったら、そのへんに売っている超合金ロボットと変わらないよぉ」
子供:「ええと、5万円ぐらい?」
古田氏:「……。あのねー。なめちゃいけないよぉ。ボクの貯金よりもはるかに多い(コストがかかっている)から」
ジュラルミンの削り出しパーツを多用したボディに14個のコンピュータモジュールと138個のセンサーを搭載し、モーターから配線コードまですべて特注品という贅を尽くしたmorph3の開発費はなんと3000万円。会場のお父さんお母さん(と大きなお友だち)からは「おおー」とため息が漏れる。
「研究センターにはmorph3がもう1体いるから合わせて6000万円。ハルキゲニアはもっと高くて5000万円。合計すると高級マンション買えちゃうねぇ」(古田氏)
もっとも、そんな高額な開発費も、子供にはさっぱりピンと来ない。そんな子供らの無邪気な様子は、メインイベントの「morph3解体ショー」で垣間見ることができた。
「ボクはこれ(morph3)を分解するのに飽きました。会場の誰かにバラしてもらいましょう」と語った古田氏は、本日のROBOT解体LIVE2004一番乗りだった最前列の12歳の男の子を指名。ロボットの脚部に内蔵されている制御コンピュータを取り出すところまでを古田氏とともに作業した。
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