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Blu-ray DiscのファイルシステムはUDFへ。“殻なし”のベアメディアも登場(1/2 ページ)

» 2004年08月04日 08時27分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 Blu-ray Disc Foundation(BDF)は、Blu-ray Disc Association(BDA)の概要について発表した後、行ったセミナーでは、Blu-ray Disc(BD)のロードマップについて確認したほか、ファイルシステムのUDF化やカートリッジレスのいわゆる「ベアメディア」の登場についても言及された。

BDのファイルシステムはUDFへ

 現在、市場に登場しているBD対応機器はソニーの「BDZ-S77」とパナソニックの「DMR-E700BD」の2機種。いずれも書き換え可能な「BD-RE」規格に対応したものだが、規格としてはパッケージメディア向けの読み出し専用「BD-ROM」、ライトワンスの「BD-R」も準備が進んでいる。

photo 現在策定が進んでいるBDのフォーマット。容量はいずれもシングルレイヤーで25Gバイト、ダブルレイヤーで50Gバイト

 各フォーマットの物理フォーマットに関しては、DB-ROM V1.0が今年6月、DB-R V1.0が今年8月、DB-RE V2.0が今年10月にそれぞれ策定、もしくは策定完了する。論理フォーマットに関しては、7月にBD-R/RE Ver.2.0を策定。BD-ROMについては、V0.9の策定が12月に予定されており、V1.0については「2005年になる見込み」という。

 BD-ROMの論理フォーマット策定が遅れることについて、BDA Joint Technical Committee 委員長の大原俊次氏は「アドバンスドコーデックなど未策定の部分が多く、BDAの設立後にメンバーから話を聞いて作業を進めたい」とその理由を説明する。

photo BDのロードマップ。2005年には4倍速書き込みのDB-R規格が策定される予定であることが分かる

 また、ファイルシステムに関しては、BD-ROMおよびDB-R、そしてDB-REの次期バージョン「V2.0」では、UDF2.5が採用されることが明らかにされた。

 UDFはDVDやCD-RWなどにも採用されているファイルシステムで、PCとの親和性が高い。しかし、UDFに切り替えてしまうと、ファイルシステムにBlu-ray Disc File System(BDFS)を使用している既存のDB対応機器は、BD-RE V2.0が投入された時点で互換性を一部失ってしまうことになる。

 ソフトウェアアップデートなど、何らかの手段で対応させることも考えられるが(実際、DBZ-77Bは今年3月に発覚した不具合に対してソフトウェアアップデートで対応している)、 「“録画”“パッケージ”“PC”の3要素は欠かせない」(ソニー 業務執行役員常務 西谷清氏)というBDのポリシーを優先した結果の措置と言えそうだ。

“裸”メディアも登場

 現在利用されているBD-REのメディアはすべてカートリッジ式だが、DB-RE V2.0の導入タイミングで、ケースに入っていない、「ベアディスク」も利用できる可能性が高まった。

 BDのメディアは、0.1ミリという薄い保護層を±2マイクロメートル以内の誤差で形成しなければならない。そのため、傷や汚れには敏感にならざるを得ず、結果としてソニーのBD-REメディア「BF23G」とパナソニックの「LM-BRM50/25」は(規格上必須とされていないが)いずれもカートリッジ式となっている。

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